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馬との最後の別れ

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第二章

「神に召されたいです」
「そう言われますか」
「出来れば」
「それは貴女が騎馬警官だったからですね」
「イギリスでは」
 祖国ではというのだ、今は移住してこの国に住んでるのだ。
「そうしていました」
「女性初の」
「馬が好きで騎馬警官になりたくて警官になって」
 そしてというのだ。
「はじめてのそれになれて嬉しかったです、そして今も」
「馬がお好きですか」
「ですから」
 その為にというのだ。
「最後は」
「わかりました、そのお話適えさせてもらいます」
 獣医は老婆に約束した、そしてだった。
 騎馬警官がいるシドニーの知り合いに相談すると。
「だったら警察に言えばね」
「ここまで来てくれるんだ」
「事情が事情だしね」 
 だからだというのだ。
「きっとね」
「それじゃあ」
「警察に言えばいよ」
「わかったよ」 
 こうしてシドニーからだった。
 ニューカッスルまで往復五時間をかけて二人の騎馬警官が乗る茶色の雄の馬のハリウッドそしてドンが来た、医師は馬に乗ってやって来た警官達に礼を述べた。
「よく来てくれました」
「いえ、メレディスさんは女性初の騎馬警官です」
「その方のお願いそれも最後になりますと」
「是非です」
「そうさせて頂きます」
「そうですか、ではお願いします」
 こうしてだった。
 リタはベッドに横たわったまま病院の駐車場に出してもらい。
 そこで馬達と会った、するとだった。
「ヒヒン」
「ヒン」
「出会えてよかった」
 リタは病床で馬達の頬を撫でてから医師に涙を流して礼を述べた。
「有り難うございます、もうこれで」
「思い残すことはですか」
「ありません」
 こう言ってだった。
 リタは部屋に戻った、そして非常に満ち足りた笑顔で世を去った。医師はその彼女の葬儀が終わってから言った。
「アメリカのこともこのことも」
「人と馬には絆が生まれる」
「そうですね」
「そしてそれは生涯のものにもなる」
「そうなのですね」
「そのことがわかったよ」 
 こう言うのだった。
 そして老婆とアメリカのその馬の冥福も願った、そうせずにはいられなかった。


馬との最後の別れ   完


                   2021・7・22 
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