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これが犬の心

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第一章

               これが犬の心
 アメリカテキサス州ヒューストンで生きものの救助活動をしているサマンサ=ジマー明るい顔立ちで青い目でブロンドの長身の彼女は家に保護した三匹の犬を家族に迎えていた、そして今再びだった。
 連絡を受けて保護されたその犬、白地に茶色のテミラミックスの雄犬を見て言った。
「随分怯えていますね」
「ええ、何とかです」 
 犬を保護したスタッフが彼女に話した。
「保護しました」
「罠を仕掛けてですか」
「そうまでして」
 そのうえでというのだ。
「何とかです」
「大変でしたね」
「それがこの子自身も」
 弱々しく怯えた顔のその犬を見つつサマンサに話した。
「かなりです」
「大変ですか」
「さっき獣医さんに診断してもらったんですが」 
 その結果を話した。
「フィラリアに感染していて」
「治療が必要ですね」
「そして空気銃で撃たれたらしくて」
「野良犬だった頃に」
「それで胸に傷がありまして」
 それでというのだ。
「そちらの治療もです」
「必要ですか」
「はい」
 そうした状況だというのだ。
「そしてこれまでそうしたことがあって」
「酷い目に遭ってきたので」
「随分怯えていて」
 そしてというのだ。
「人を怖がっています」
「そうですか」
「ですがですね」
「うちはまだ一匹は引き取れます」
 そして家族として一緒に暮らせるとだ、サマンサはスタッフに答えた。
「ですから」
「ではお願いします」
「この子も家族に迎えます」
「それでは」
「これから宜しくね」
 サマンサは犬にも声をかけた、だが。
「クゥ~~~ン・・・・・・」
「本当に怯えていますね」
「大変だと思いますが」
「きっとこの子を幸せにします」
 スタッフに約束してだった。
 その犬を家に連れて帰った、犬は雄だったのでブーマーと名付けた、すぐに夫のジン黒髪をオールバックにしていて黒い目と高い鼻を持つ背の高い彼に紹介して家の三匹の犬雄のシェパードのロンと雌のゴールデンレッドリバーのマナそして雄のダッグスフントのダンに紹介した。
「貴方の家族よ」
「宜しくな、ブーマー」
「ワン」
「ワンワン」
「キャンキャン」
 夫だけでなく三匹もブーマーを笑顔で迎えた、それは二人の子供達も同じだった。
 家族でブーマーを家族に迎え入れた、その中で。
 彼のフィラリアと空気銃の傷の治療を行った、そして。
 何事も優しく丁寧に教え暖かく接した、最初は怯えきっていた彼も。
 次第に心を開いていった、そうして数ヶ月経つと。
 三匹の兄弟達とサマンサとジンそして子供達に囲まれていつも尻尾を横に振ってはしゃぐ様になっていた。
 それにフィラリアも胸の傷も完治してだ、すっかり見違えた。サマンサはそんな彼を見て笑顔になった。
 夫のジンはそんな彼等を家に置いて今は仕事でハリウッドに来ていた、そこでイタリア出身の映像作家ニック=ステーファノと共に仕事をし。
 彼の家でのもてなしも受けたがここでだ。
 白地の茶色の毛の雌犬と白地で痩せた身体に垂れ耳の中型の雄犬が仲良くしているのを見た、すると黒髪をセットした黒い目と明るい顔立ちのステーファノは彼に話した。 
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