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おぢばにおかえり

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第六十五話 心配していてその十三

「そういうことでね。ただ阿波野君本当に嫌いな相手を徹底的に嫌うのはなおしてね」
 このことは言わずにいられませんでした。
「いいわね」
「努力しないと駄目ですよね」
「先輩も努力してるのよ」
 それならです。
「そうなるでしょ」
「確かにそうですね」
「阿波野君が大嫌いな先輩だって努力してるなら」
「僕も努力してですね」
「その癖性分はなおすのよ」
「そうする様に努力していきます」
「絶対よ。それじゃあお茶とお菓子おかわりは」
「ご馳走様でした」
 もういいというのです。
「これで今日は」
「そうするのね」
「はい、よかったらまたお邪魔していいですか?」
「何時でもいいわよ」
 私は阿波野君に答えました。
「ここは教会だからね」
「何時来てもいいですか」
「ええ、だから来たい時に何時でもね」
「そうさせてもらいますね」
「そうしてね」
 こう阿波野君に言ってです。
 彼を玄関まで送ってから先輩のところに戻って先輩に言いました。
「あの、今日は」
「全部お話したらもっと嫌われるってわかっていたから」 
 先輩はこう私に答えてくれました。
「だからね」
「そのことはいいですか」
「ええ、あの子にそう思われることはね」
「もう覚悟の上で、でしたか」
「そうよ。ただね」
「ただっていいますと」
「私も本当に前を向いて歩かないとね」
 私にこうも言いました。 
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