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それから 本町絢と水島基は  結末

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11-⑷

 お盆の最終日、恒例となってる会社の人たちが集まって、中庭でバーベキューをしていた。私、お母さんと二人で浴衣姿だった。

 数日前、会社の及川さんに

「いとさん 社長はね、いとさんを宝物みたいに思ってはりますんや そやから、不幸になるかもしれへんのは、忍びないんでっせ せやから、社長の気持ちを考えて、はやまったことをすんのだけは、止めてといておくれやすな」と、言われていた。

 私は、ビールをみんなに継いでまわってた時、山本さんが

「いとはん 去年よりも、又、ずーと、べっぴんさんにならはられましたなぁー。来年、卒業でっしゃろー こっちで、先生にならはるんでっか?」と、聞いてきたのだが、

「絢は 卒業したら、沖縄に行く。親なんて、寂しいものでな 子供の幸せを願っても、それを押し付けても、うまくいかないかも知れんし、何が正解なのかわからん 絢が、自分で、幸せを掴もうとしているんだったら、それを信じるしかできんのだよ 自分の子供でも、本人の意思を無視するなんてことはできん 特に、この子は思い入れと意思が強い子だから」と、お父さんは、言いだした。

 私は、持っていたビール瓶を、山本さんに預けて、背中からお父さんにおもわず抱き着いていった。

「ありがとう お父さん ウチ 幸せになるよ」

「おいおぃ こんなだから、可愛くて、いつもだまされるんだ」と及川さんに向かって、言っていた。

「社長 大学に行かはってからでっせー こんな明るく活発な娘さんにならはったんはー いとさん 良かったですなぁー」と及川さんも言ってくれて

「ありがとう 及川さんもお母さんも」私、涙が出てきていた。

「絢 そんな、泣き虫じゃぁ もとし君を支えられないよ」と、お母さんに言われた。

「絢 ただし、あっちの働く場所とか住むところはワシが決める。それくらいの心配はさせろ わかったな」

 私は、意味がわからなかったけど、とりあえず「うん」と返事してしまった。




  
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