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片目の猫達の幸せ

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第一章

                片目の猫達の幸せ
 アメリカの女性海洋生物学者であるサバンナ=アナスは親友と趣味のドライブを満喫していた、茶色の癖のある髪の毛を首の付け根の高さで切り揃えている。目はブラウンで気の強そうな顔立ちで長身ですらりとしている。
 その彼女がドライブ中で見付けたのだ。
「あれっ、猫がいるわ」
「そうね」
 助手席にいる友人も気付いた。
「あそこにね」
「動けないみたいね」
 見れば腹が白く長い黒い毛である、サバンナはその猫を見て言った。
「大丈夫かしら」
「助ける?」
「ええ、それに猫を飼いたいと思っていたし」
「じゃああの子保護して」
「家族に迎えるわ」
 こう言ってだった。
 車を停めてそこから出てだった。
 子猫を拾った、子猫は生後二週間位だったが。
「ニャ~~~」
「この子何か」
「ええ、左目がね」
 見れば開かない、それで二人で話した。
「感染症かしら」
「それで見えないのね」
「飼うつもりよね」
「ええ、けれどその前に」
「獣医さんによく診てもらわないとね」
「どのみち診てもらうつもりだったけれど」 
 こう話してだった。
 二人はその猫をすぐに動物病院に連れて行った、すると獣医は子猫を診た後で雄だと言った後でさらに言った。
「残念ですが左目は」
「駄目ですか」
「もう見えません、ですが」
 それでもとだ、獣医はサバンナに話した。
「無事にです」
「育ってくれますか」
「他の病気は完治しますが」  
 それでもというのだ。
「左目は」
「わかりました、ですがこの子は」
「飼われますか」
「そうします」
「いいことです、片目が見えなくても」
 それでもとだ、獣医はサバンナに話した。
「命は命です」
「掛け替えのないですね」
「ですから」
 それでというのだ。
「大事にしてあげて下さい」
「そうさせてもらいます」
 こうしてだった、サバンナはその子猫をスカーと名付けて家族に迎え入れた、すると。
「左目にパッチ付けたの」
「そうなの、その方がこの子にいいって言われて」 
 友人に左目にパッチをしているスカーを紹介して話した。
「それでね」
「付けたのね」
「似合うかしら」
「海賊みたいでいいんじゃない?」
「そう?そう言われると恰好いいわね」
「そうね」
「ニャ~~~」
 二人で笑顔で話しスカーも機嫌のいい感じだった。サバンナも彼女の家族も愛嬌のある性格のスカーと仲良く暮らしていった。
 その中でサバンナは仕事でアメリカ中を巡っていたが。
 ホノルルでのビーチで茶色と白で八割れの左目を常に瞑っている猫を見た、サバンナはその猫を見てすぐにわかった。
「あなた左目が見えないのね」
「ニャ~~~」
「そうなんだよ」
 ここで明るい顔立ちで黒髪と黒い目の上半身は裸で下半身は膝までの水着を着ている青年が出て来た、肌はよく日焼けしている。ハワイ系の感じであった。 
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