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水辺の子猫達

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第二章

「岩場にいて海に飛び込んで」
「貴女のところに来たんだ」
「そうなのね」
「はい、私はナタリア=ニキーティナといいまして」
 女性も名乗った。
「この近くで家でレストランをしています」
「そうなんだね」
「そうして暮らしているのね」
「それでよくこの辺りで釣りや水泳をしているんですが」
「その時にだね」
「その娘と出会ったの」
「岩場にいて助けようとしても足場が悪くて」
 岩場独特のそうした環境でというのだ。
「中々行けなかったら」
「ここもゴツゴツしてるからね」
「行き来は難しいわね」
「僕達も苦労したし」
「やっぱりそうなるわね」
「苦労していたら」
 そこでというのだ。
「この娘は海に飛び込んで」
「泳いでなんだ」
「そのうえでなの」
「私達のところに来ました、それで拾い上げて」
 そしてというのだ。
「周りに家族がいないか探しましたら」
「いなかったんだね」
「そうなのね」
「ですから」
 それでというのだ。
「うちで引き取って」
「家族にしたんだね」
「そうなのね」
「そうしました」
 こう夫婦に話した。
「それで今は幸せにです」
「暮らしているんだね」
「皆で」
「これからもずっと一緒です」
 ナタリアは夫婦に笑顔で話した、そしてだった。
 オーロラを連れて家族が釣りをしている場所に行ってそこで釣りをした、夫婦もそこで釣りをしたが。
 それが終わってだ、祖国で留守番をしている家族のところにフィンとクーを送ってホテルに戻ってから二人で話した。
「ここに来てよかったな」
「そうね、フィンとクーに出会えて」
「それにな」
「オーロラって娘にも出会えて」
「釣りもよかったし」
「他のことも楽しめたし」
 旅行の中の観光もというのだ。
「いい旅ね」
「ああ、だからな」
「また行きましょう」
「そうしよう」
 二人で笑顔で話した、そしてだった。
 ルーマニアでの旅を満喫してからアイルランドに戻った、それからは家族達と幸せな生活に入った。二匹の猫達も新たに加わっているそれに。


水辺の子猫達   完


                    2021・7・18 
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