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イベリス

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第十三話 学業もその十二

「だからあんたも安心してね」
「私に何かする?」
「あまり言わないけれど愚痴は言うかもね」
 それ位はするかも知れないというのだ。
「お父さん愚痴も言わないけれど」
「それはそうね」
 言われてみればと咲も頷いた、確かに父は自暴自棄になるタイプではない。そしてもっと言えば愚痴も言わない。
「だからなのね」
「そう、本当にね」
「少しだけなのね」
「愚痴言ってもね」
「お酒を飲んで」
「それだけよ、まあ気にしないでね」
 一切というのだった。
「いいわね」
「それじゃあね」
「そういうことでね、あとあんた今日は食べたらどうするの?」
「勉強するわ」
 こう答えた。
「やっぱりね」
「予習復習はするのね」
「そうするわ」
「偉いわね、だから成績もいいのね」
「お母さんそこで頭いいとは言わないわね」
「お勉強が出来てもっていうのね」
「ええ、そうよね」
 母にご飯を食べつつ言った。
「昔から」
「だってね、お勉強はすればね」
 そうすればとだ、母は娘に答えた。
「成績はよくなるから」
「誰だってなの」
「教科書を何度も読んで書いて」 
 そうしてというのだ。
「問題と解いて公式を頭に入れるとね」
「お勉強は出来るの」
「それこそ誰だってね」
 まさにというのだ。
「そうしたものだから」
「頭がいいとは言わないの」
「成績がいいって言うのよ」
 学校の勉強のそれがというのだ。
「お母さんはね」
「頭のよし悪しじゃないのね」
「頭がいい悪いはまた別よ」
 学校の成績とはというのだ。
「それは」
「そうなのね」
「頭がいいのは良識を弁えていたりね」 
 その言葉の意味をここで娘に話した。
「頭の回転が早い」
「そうしたことなの」
「そう、よく気が付いたりね」 
 そうしたというのだ。
「的確な答えを出したり」
「そうしたことなの」
「おかしなことを言ったり支持したりはね」
「そうしたことだとなの」
「頭が悪いってなるのよ」
「そうなるのね」
「馬鹿とか阿呆とか言うわね」 
 俗に悪口と言われる単語も話に出した。
「馬鹿はものがわからない、阿呆はものを知らない」
「そういうことなの」
「愚かはやってはいけないことを言ったりする」
「そうしたことなの」
「東大法学部出てる元弁護士の政治家さんでいるでしょ」
 今度は具体的な例を出した。
「女の人も」
「ああ、あの」
 言われて咲も頷いた。
「変な喋り方の野党の人ね」
「そう、あの人頭よく思える?」
「いえ、全然」
 まさにとだ、咲も答えた。
「あの人はね」
「そうでしょ、全然そうは思えないでしょ」
「というかあんな人小学生よりもね」
「東大法学部首席だったのよ」
 この女性議員はというのだ。 
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