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イベリス

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第十三話 学業もその二

「今もだけれど」
「私は何時でもそうよね」
「それで高校の時もね」
「実際そうだったわ、ただね」
「ただ?」
「それでもね」
 こう咲に言うのだった。
「高校時代もね」
「楽しくて」
「いい思い出よ、だから咲ちゃんもね」
「これからも」
「楽しくしてね、あと勉強もね」
 愛はこちらの話もした。
「ちゃんとね。咲ちゃんは大丈夫だけれど」
「勉強はね」 
 やっぱりとだ、咲も答えた。
「アルバイトも部活もしてるけれど」
「そちらもよ」
「ちゃんとすることね」
「そう、私もやってたしね」
「だから大学に行けたのよね」94
「そうよ。東大とかは別格だけれど」
 それでもというのだ。
「やっぱりね」
「大学は行った方がなの」
「色々勉強になるから」
 それでというのだ。
「行くといいわよ」
「そうなのね」
「私が思うにはね」
「そうなのね」
「人生の勉強になるから」
 だからだというのだ。
「いいわよ」
「ええ、じゃあね」
「勉強もしてね」
「そうしていくわ」
 咲も約束した。
「この三年ね」
「そうしていってね」
「ええ、じゃあそろそろね」
 渋谷駅が近くなって愛に話した。
「着くから」
「アルバイト行って来るのね」
「そうするわ」
「頑張ってね、私もね」
「アルバイトよね」
「それに行って来るわ」
「アイス屋さんに」
「お互い頑張りましょう、あとお金はね」
 愛はこちらの話もしてきた。
「上手に使うことよ」
「無駄使いするなじゃないの」
「私はそんなこと言わないでしょ」
 無駄遣いするなとはとだ、愛は笑って返した。
「そうでしょ」
「というかお姉ちゃん使う方よね」
「そう、むしろ言われる方よ」
 無駄使いするな、とだ。
「だからね」
「それでなの」
「そうしたことは言わないわ、けれどね」
 それでもというのだ。
「お金は使い方が大事なのよ」
「どう使うかなのね」
「そうよ、無駄使いじゃなくて」
「上手に使うことね」
「それが大事なの、五十億稼いで」
 そこまで稼いでというのだ。
「後で自分が稼いだその五十億何処に行ったとかね」
「それ元プロ野球選手よね」
「わかる?」
「わかるわよ、あの柄の悪い人ね」
 咲は嫌悪感丸出しで答えた。 
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