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イベリス

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第十二話 四月を過ごしてその五

「同性愛ってね」
「日本は昔からなのよね」
「平安時代もそうだったし」
「それで室町時代もで」
「それでよね」
「江戸時代もそうだったし」
「戦国時代でもそうでね」
 咲は友人達にさらに話した。
「謙信さんのライバル信玄もね」
「ああ、美形のお小姓さんいてね」
「浮気して身の潔白言う手紙書いたのよね」
「それ残ってるのよね」
「それで信長さんもね」
 あまりにも有名なこの人物もというのだ。
「森蘭丸さんいたし」
「前田利家さんとか蒲生氏郷さんとか」
「相手にこと欠かなかったのよね」
「あの人は特に」
「だから謙信さんはそっちだったけれど」
 妻はいなかったが男色は嗜んでいたというのだ。
「精悍で恰好よくて義を重んじていて」
「ストイックよね」
「そのイメージ強いわよね」
「どうしてもね」
「それでもお酒だけはで」
 こちらは好きでというのだ。
「それでね」
「毎晩大酒飲んでいて」
「しかもおつまみがそうしたもの」
「そりゃ身体に悪いわね」
「成人病一直線ね」
「そうだったのね」
「それで実際にそうなったから」
 脳梗塞か脳卒中で倒れたからだというのだ。
「残念ね」
「お酒には注意しろっていうけれど」
「塩分にもね」
「まさにその通りよね」
「謙信さんもそうなったから」
「そうよね、皆も飲んでるでしょ」 
 咲はこのことは小声で言った。
「そうよね」
「ええ、それはね」
「お家だとね」
「流石に外では飲めないけれど」
「お酒位はね」
「そうよね、私も飲んでるしね」
 咲は自分のことも話した。
「好きだけれど」
「毎日大酒はよくないわね」
「飲んでも時々ね」
「それ位がいいわね」
「ええ、気をつけないとね」
 自分達も酒にはとだ、咲は友人達に話した。そのうえで今日は部活の日なので部活に行くとだった。
 部長は咲が謙信と酒の話をここでもするとこう言った。
「お酒の漫画もあるけれどね」
「そうなんですか」
「どんなお酒があるかとかね」
「グルメ漫画みたいなのですか」
「飲み歩くお話とかね、何とかの細道とか言って」
「松尾芭蕉みたいですね」
「あとバーを舞台とした漫画もあるよ」
 部長は咲にそうした漫画を実際に出しつつ話した。
「勉強になるよ」
「そうした漫画もあるんですね」
「うん、ただね」
「ただ?」
「僕的にはソムリエの漫画が一番好きで」
 それでというのだ。
「日本酒、謙信さんも飲んでいたけれど」
「童子はお酒はですね」
「絶対にね」
「日本酒でしたね」
「そうだったよ、それも濁酒だったんだ」
「濁ったお酒ですね」
「そうだよ、お店でも売ってるけれどね」
 濁酒、この酒はというのだ。 
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