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警察にあった幸せ

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第一章

             警察にあった幸せ
 イギリスサニー州で警官をしているステフ=バレット巡査はこの時川辺のバケツの中にいる四匹の子犬達を見ていた、どの子犬も黒い毛で腹が白い。生後六週間位のスパニエル犬であまり体調がよくない。
 それでだ、パレット茶色の髪で青い目で長身で筋肉質の彼は同僚に言った。
「皮膚病で目と耳が炎症で栄養失調みたいだな」
「詳しいな」
「実家で犬をずっと飼っていて犬の調教師の資格も持ってるからな」
 それでとだ、彼は同僚に答えた。
「だからな」
「ぱっと見てわかるんだな」
「すぐに保護しよう」
 パトロール中に見付けたこに犬達をというのだ。
「そうしよう、それに」
「それに?」
「スパニエルは探知犬にもなれるんだ」 
 このことも言うのだった。
「だから」
「それでか」
「保護したら署長に話して」
 そしてというのだ。
「そのうえで」
「探知犬にするか」
「丁度うちの署は探知犬がいないし入る予定もないし」
「イギリス全体で警察犬足りてないしな」
「だから」
 そうした事情もあってというのだ。
「保護して」
「警察犬にするか」
「探知犬に」
 こう言ってだった。
 パレットはすぐに犬達を保護して署に連れて帰った、そうして署長であるサー=ウィリアム=ジョースター警視正に事情を話した。金髪をセットしたグレーの目の上品な三十代半ばの中背の男である。内務省でも知られているエリート官僚である。
 ジョースターはパレットの話を聞くとこう言った。
「今ヤードは警察犬不足です」
「はい」
「四匹も優れた人材が入ることは喜ばしいことです」
 パレットに真剣な顔で答えた。
「では」
「四匹をですか」
「優れた探知犬にして下さい」
「わかりました」
 パレットはジョースターに敬礼をして応えた、こうしてだった。
 パレットは四匹の教育係になった、四匹共雄だったことがわかりまずは彼等の皮膚病や炎症を治療してもらい栄養のあるものを飲んで食べさせた。
 そすいて元気になってから彼等を名付けた。
「バジャ、コーン、ラッキー、ラルフ。これがお前達の名前だよ」
「ワン」
「ワンワン」
「ワォン」
「ワンッ」
 四匹はパレットに鳴いて応えてだった。
 彼の訓練を受けた、すると四匹共だった。
 優秀な探知犬になりいつもパレットに連れられて任務を果たした、ジョースターはその状況を見てパレットに言った。
「喜ばしいことです」
「優秀な警察犬が四匹加わってですね」
「そして命が助かった」
 ジョースターはこのこともと言った。
「そのこともです」
「喜ばしいことですか」
「はい」
 まさにというのだ。
「これ以上はないまでに」
「そうですか」
「はい、命が助かり居場所を得た」
 このことがというのだ。 
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