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犬と牛の絆

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第二章

 それを身て夫婦は傍にいた施設のスタッフにカップケーキ達のことを話してから彼等のことを尋ねた。するとスタッフは二人に話した。
「あの牛は雌でムーンパイといいます、産まれた時からここにいます」
「そうした子ですか」
「それでずっと犬達と一緒にいまして」
 夫に話した。
「特にあの白のブルテリアの二匹と」
「仲がいいですね」 
 見ればどの犬もブルテリアだが二匹だけ白だった。
「大きな白い犬が十二匹の家族のお母さんでスパックルといいます」
「お母さんですか」
「耳が聞こえないですが」
 障害があるがというのだ。
「自分の旦那さんと一緒に十匹の子供達とです」
「あの牛も育てていますか」
「そうしています、それであの子も」
 もう一匹の白のブルテリアも見つつ話した。
「スパックルの息子の一匹でキャドベリーといいますが」
「あの子もですか」
「特にムーンパイと仲がよくて」
 そしてというのだ、よく見れば白の中にグレーもある彼を見つつ話した。
「親しくしています」
「そうですか」
「牛は優しい性格で犬は面倒見がいいので」
「種族が違ってもですね」
「仲がいいんですね」
「モウ」
「ワン」
「ワンワン」
 ムーンパイはどの犬とも仲がいい、だが。
 一番近くにはスパックルとキャドベリーがいる、彼等が親しくしているのを見て。
 夫婦は笑顔になった、そしてスタッフに話した。
「牧場に帰っても」
「うちの子達を見守ります」
「そうしていきます」
「牛と犬の仲のよさを」
「お願いします、犬は家畜と仲良くなれます」
 スタッフも夫婦に笑顔で応えた。
「だから牧羊犬にもなれます」
「そうですよね」
「仲がいいですから」
「そうです、では帰られてもどうぞ」
 スタッフは笑顔のまま夫婦に言った、そして夫婦も笑顔で彼と別れた。そのうえで自宅の牧場に帰ると。
 カップケーキは今も二匹と仲良く一緒にいた、二人はそんな彼等を見てまた笑顔になった。そこにこの上ない暖かさを見て。


犬と牛の絆   完


                   2021・6・25 
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