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水路からの救出

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第一章

               水路からの救出
 ドイツのハンブルグでのことだ。
 ある人が大きな水路にシェパードがいるのを見て言った。
「おい、こんなところに犬がいるぞ」
「あっ、確かに」
「何でこんなところに?」
「落ちたのか?」
「そうなのか?」
「ここは急いで引き上げよう」
 すぐにこの意見が出た。
「水路は干上がっていて水もない」
「そうだな、食べものもないしな」
「それに大雨が降ったらすぐに増水して水に流されるかも知れない」
「放ってはおけない」
「すぐに助けよう」
「そうしよう」
「しかし」
 ここでだ、状況を冷静に見る者がいてこんなことを言った。
「高さ何メートルもある水路だしな」
「こんなところそうそう入れないな」
「梯子とかないと」
「しかもシェパードだ、大きいぞ」
「子犬とは違うぞ」
 今度は犬の大きさが指摘された。
「簡単に上には引き上げられない」
「大きなケージが必要だ」
「そのケージに入れてどうやって何メートルもの高さを引き上げるんだ」
「俺達じゃ難しいぞ」
「ここはレスキューを呼ぼう」
「そうしよう」
「その間はこの子が餓えない様にしよう」
 ご飯をあげてそうしようとも話してだった。
 犬を見た人達はソーセージやらを落としてレスキュー隊に連絡をした、それで犬を見守っていたが犬は。
 人間の言葉に怯えている様だった、ソーセージ等も食べようとしない。
「食べないな」
「何か避けているぞ」
「俺達も見ようとしない」
「そういえば首輪がない」 
 ここでこのことに気付いた。
「野良犬か」
「だから色々あったんだな」
「虐待されたりしてきたか」
「だから人間を避けてるか」
「信用していないか」
「大丈夫だぞ」
 ここで一人が犬に言った。
「俺達は何もしないぞ」
「俺達なりに心配しているからな」
「そのことはわかってくれ」
「俺達は悪いことはしないぞ」
 他の者も犬に言った。
「だから安心してくれ」
「ソーセージも食べていいぞ」
「美味いからな」
「安心して食ってくれ」
「もう少ししたら救助隊も来る」
「だから心配するな」
「俺達も怖がらなくていいぞ」
「クゥン・・・・・・」
 犬もそう言われてだった。
 少し落ち着いたかソーセージに顔を向けて。
 そうしてそれを食べはじめた、見守っている者達はその食べる姿を見てよかったと思った。そうしてだった。
 ほっとしてだ、こう話した。 
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