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星河の覇皇

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第七十八部第一章 二度目の会戦を観てその四十

「現在より遥かにです」
「アウトカースト層への偏見も緩やかだったのですね」
「法律でも差別が定められていなかった」
「そうだったのですね」
「はい、二十世紀後半から宇宙進出が本格的になるまでは」
 これまでの頃はというのだ。
「まだです」
「偏見も緩やかで」
「アウトカースト層出身の国家元首もいた」
「そうだったのですね」
「人権思想が入り」
 マウリア当時のインドにもだ。
「それでカースト制度への批判も起こり」
「それによってですか」
「アウトカースト層への偏見も弱まり」
「その偏見を打破しようという運動も起こり」
「偏見も緩やかだったのですね」
「そうでした」
 この時代よりもというのだ。
「そうでしたが」
「それが、ですか」
「宇宙の時代になってですね」
「そこが変わったのですね」
「あの国では」
「はい、そしてです」
 その結果というのだ。
「今の様になったのです」
「アウトカースト層を社会から疎外していた」
「存在しないものとして扱っていたのですね」
「彼等の社会はマウリアの社会ではないとした」
「同じ国にいながらも」
「同じ国に二つの政府が同時にありましたが」
 カースト層の政府とアウトカースト層の政府がだ、当時のマウリアはそうした社会であったのだ。それも長い間。
「地球にあった頃は違いました」
「昔の方が偏見が緩かった」
「アウトカースト層へのそれが」
「そうであって」
「国家元首にもなっていましたか」
「そうでした、ガンジーがです」
 この時代でも独立の父とされている偉大な人物だ。
「ハリジャンと呼んでいましたし」
「アウトカースト層を」
「そう呼んでいたのは知っていましたが」
「そこからはじまっていますか」
「ガンジーは最初カースト制度を肯定していました」
 インド社会の秩序の為にだ、カースト制度は職業分化つまり各人の職業を保障しその生活を保護する意味も強いのだ。その為一概に否定も出来ないのだ。
「しかしそれが次第にです」
「変わっていったのですね」
「独立運動の中で」
「そうなっていったのですね」
「はい、そしてその中で」
 敬虔なヒンズー教徒であるがインドそしてヒンズー教の為にはそれがいいという考えになるその中でだ。
「アウトカースト層についてもです」
「ハリジャンと呼んでですね」
「彼等の権利のことも考える様になった」
「そうなったのですね」
「そうなりまして」
 そしてというのだ。
「そこからです」
「アウトカースト層への偏見は緩いものになって」
「社会進出も行われたのですね」
「当時のマウリア、つまりインドでは」
「そうでしたが」
 それがというのだ。
「今の様にです」
「宇宙進出が本格的になると」
「マウリアでもそうなると」
「その中で変わったのですか」
「偏見がまた強まったのですか」
「そうなりました、ヒンズー教の教理がそちらに強まり」
 カースト制の復活の方にだ。 
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