夢幻水滸伝

「当然な」
「そうしてくれるか」
「民は最初から一切や」
「傷付けるつもりはないか」
「そのことは約束する」
「そうか、それで国土もやな」
「傷付ける気は毛頭ない」
　こちらもというのだ。
「そのことも言っておくで」
「そうか、ほなやな」
「そや、どうするか」
「降伏かまだ戦うか」
「二つに一つか」
「どないする」
「もうこうなっては勝てん」　
　ロシティーは戦局を見て答えた。
「というか既に負けてる」
「退いてもまだ戦力はあるやろ」
「それでも集めた戦力がこれだけの星のモンに片っ端からやられるわ」　
　ロシティーはこれからの戦局を読んで苦笑いで返した。
「そうなるのがヲチや」
「そやからか」
「もうここで負けたら終わりやと思ってた」
　既にというのだ。
「そして負けた」
「それでか」
「降る、兵も民も国土も傷付けんのやとな
「私が約束を破る可能性もあるが」
「そこでそう言う奴が約束破るか」
　ロシティーは今度は笑って返した。
「約束破る奴は絶対に守るとか信用しろとかそんなこと言うわ」
「心に疚しいもんがあるからな」
「そうする、しかし自分は今そう言うた」
　他ならぬリー自身がというのだ。
「それで完全にわかった、もうな」
「私を信じてか」
「降る、兵の復活は頼むわ」
「よし、これで戦は終わりや。そして」
　リーはロシティーに言った。
「今から自分とアユさんは私達の仲間や」
「降ったら早速か」
「そや、これから頼むで」
「早速とは気が早いな」
「そうやろか」
「かなりな、けど負けたからな」
　このことを認めての言葉だった。
「ええわ、自分に全部預ける」
「ほなな」
　リーは笑って応えた、こうしてだった。
　国家連合とインドネシアの戦いは国家連合の勝利で終わった、リーはすぐに戦で戦死した者達を復活させそのうえで軍を退かせてだった。
　シンガポールに星の者達、ロシティーとアユを加えて会談を開いた。だがその会談が開く前にだった。
　瑠璃子達四人はリーに軽い調子で言った。
「ほなこれで」
「頼まれたお仕事終わったんで」
「私等奈良に帰ります」
「また何かあったら呼んで下さい」
「わかったわ、しかし自分等悪いことはせんしやることはやるが」
　それでもとだ、リーは四人に言葉を返した。
「やっぱり軽くていい加減やな」
「明るいって言うて下さい」
「私等はムードメーカーでもありますさかい」
「いつも明るく前向きなんです」
「陽気に暮らしてるんです」
「陽気といい加減、怠け者はちゃうやろ」
　四人のその短所を指摘した。
「どう見ても」
「いやいや、これ位気楽やないとです」
「やっぱりやっていけません」
「明るく楽しく」
「エンジョイアンドエンジョイです」
「そこでエキサイトにはならんか」
　エンジョイアンドエキサイトにはとだ、リーは言った。