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夢幻水滸伝

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第二百二話 リーの切り札その十

「一騎打ちを挑みたいんやが」
「選択の余地はないか」
「そういうことやな」
「仕方ないわ」
 アユは自分の武器である短刀を出して応えた、術を入れた銀のダガーを何段階も鍛えた特別なものである。
「こうなったら」
「ほなな」
「武器の神具も欲しかったけど」
「今言うても仕方ないな」
「それでも戦うわ」
「お互いな、ほなやろか」
「若し自分から逃げても」
 アユは状況がわかっていた、今の戦の。それで言うのだった。
「他のの人がおるし」
「そやからやな」
「一騎打ちからは逃れられんな」
「自分にとっては不本意でもな」
「やっぱり仕方ない」
 今度は自分でこの言葉を出した。
「やるわ」
「ほなな」
 アルフィアンは己の神具である万石弓を構えた、アユもダガーを構えた。そのうえで一騎打ちに入った。
 リーとアルフィアン以外の国家連合の星の者達はそれぞれ軍勢を率いかつ自ら戦っていた、自分達の神具や術を使ってインドネシア軍を攻撃していたが。
 やはり星の者の力は違った、彼等は一撃で船を沈め多くの敵兵を吹き飛ばしていた。
 その自分達の力を見てチュットは言った。
「ほんまちゃうな」
「そやな」
 ブッパースウォングが応えた。
「力が」
「圧倒的やな」
「恐ろしい位にちゃう」
「そもそもレベルが違って」
「ステータスもな」
 そちらもとだ、ブッパースウォングは話した。
「レベルのこともあってな」
「全くちゃうし」
「しかも術は全部使えてな」
「神具もあるし」
「強さがちゃう」
「そういうことやね」
「そや、これだけの力があるからな」
 それ故にというのだ。
「この世界も救う役目がある」
「そのことを忘れたらあかんね」
「そや、それでこの戦はな」
「私等がおるから」
 ここでチュットは己の神具である落魂鐘を使った、その鐘を鳴らすとだった。
 多くの敵兵が精神を乱され互いに争いだしたり倒れたりした、その状況を観つつブッパースウォングに話した。
「かなりやね」
「有利に進められてる」
「一方的な位に」
「そや、このままな」
 ブッパースウォングも己の神具五鈷杵を使った、そこから凄まじいエネルギーが発されそれで船をまとめて三隻破壊した。
 そうしつつだ、チュットに話した。
「敵を殲滅してな」
「海戦に勝って」
「そしてな」
 それに加えてというのだ。
「この戦自体にな」
「勝つんやね」
「そうしよな、リーさんの考え通り」
「そういうことやね、ほなこうもするで」
 チュットは今度はドルイドの力を使った、その自然を使う力でだった。
 大波を起こし敵を攻めた、戦局は完全に国家連合のものになっていた。
 ロシティーはその戦いの中でリーと一騎打ちを繰り広げていた、音楽を奏でそれでリーの精神を攻撃し術も放つ。
 リーはそれに対して術で応える、そして自身の周りに。
 十絶陣を置いて守っていた、それはロシティーの音楽も術も吸い込んでいた。それでロシティーは歯噛みして言った。 
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