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夢幻水滸伝

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第二百二話 リーの切り札その六

「こうなってる」
「戦についても」
「全部な、しかしな」
「それでもですね」
「かといって負けるつもりはない」
 一切、そうした言葉だった。
「やるで」
「この度は」
「そや、返り討ちにしたる」
「今の兵で」
「兵の集結を待ってたらジャカルタに来られる、しかも相手の星のモンの数は十一人」
 今度は星の者の数の話をした。
「十一人それもリーがおる」
「ここでもあの方が問題ですね」
「神星であるあいつがな」
 まさにというのだ。
「十一人で攻めたらな」
「そうそうはですね」
「勝てん、神星のあいつに街を攻められたら」
 特にリーにというのだ。
「どんな街でもや」
「その術でほぼ一撃ですね」
「そうなる、一般市民を犠牲にする奴やないと思うが」
 街にいる彼等を巻き込むことはない、ロシティーはリーをそう見ているがこのことについてはその通りだった。
 だがそれでもとだ、ロシティーはさらに話した。
「それでもな」
「街を戦場にしては」
「民が困る、そやからな」
「ジャカルタに攻められる前にですね」
「決めたい」
 是非にというのだ。
「軍の集結を待ってるとジャカルタを囲まれてな」
「攻められ民に被害が出る」
「それは避けたいしな、今ジャカルタにある軍を率いて」
 そのうえでというのだ。
「リーの軍勢と戦うで」
「これより」
「ああ、兵の数と装備は互角になるな」
 ロシティーは腕を組んで難しい顔になって述べた。
「けど星のモンの数がな」
「それが問題ですね」
「こっちは二人、相手は七人か」
「そのことが問題ですね」
「かなりな、兵の数と装備がほぼ互角で」 
 今自分達がすぐに出せる兵はそれだけでというのだ、ロシティーは兎角今は兵力の分散を行わせたリーの策とそれに乗った自分の迂闊さを呪った、だがそれと共に民の不安が除かれてよかったとも思っていた。
 その相反する考えの中でだ、彼はアユに話した。
「星のモンが少ないと」
「それだけで不利ですね」
「これもあいつの策か」
「リーさんの」
「ほんま伊達に四智星の一人やないわ」 
 リーの知力に感嘆の言葉も漏らした。
「ここまで考えるなんてな」
「お見事と言う他ないですね」
「ほんまな、けど策にかかってもな」
「それでもですね」
「やるしかない」
 今はというのだ。
「そやから行くで」
「わかりました」 
 アユはロシティーの言葉に頷いた、そしてだった。 
 二人で今率いられるだけの兵を率いてそのうえでジャカルタに向かって来るリー率いる国家連合軍の軍勢に向かった、国家連合軍はこの時ジャカルタの北西にいてそこからジャカルタの方に向かっていた。
 そこでだ、リーはインドネシアが動いたと聞いて報をしたアルフィアンに言った。
「ほなな」
「これよりですね」
「我が軍はインドネシア軍に向かう」
「そうしますね」
「そや、スマトラ方面のインドネシア軍はジャカルタに向かってる」
 自分達に向かわずにというのだ。 
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