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それから 本町絢と水島基は  結末

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5-⑹

 富美子ちゃんの試験前日に、様子を見に行った。

「先生、私、駄目みたい。算数が間違い多くって こんなじゃ落っこちゃうよ」

「大丈夫だよ どんな間違いだったのかな」

 見ると、単純な計算ミスだ。僕が、早くやらなきゃなんないよ と言っていたのが、悪かったのか

「富美子ちゃん 落ち着いて、やればできるとこばっかりだよ 焦ると普段のことが出来なくなるんだよ 試験会場では、焦ってしまうんだ 富美子ちゃんは普段通りにやれば、絶対に出来る問題なんだから、落ち着いて 普通にやれば、絶対に時間は余るんだから、とにかく、焦っちゃだめだよ」

「うん わかっているんだけど」

「いいかい 普通にやれば、全部できるんだ 問題を見て、難しいなって思ったら、後にするんだ それでも、充分時間はある 仮に8割の問題できればいいんだよ 焦って、間違えば、点数低くなるだろう 気楽にやればいいんだよ」

「うん 少し安心したかな」

 僕は、絢から借りてきた 蝶々のお守りを富美子ちゃんに握らせて

「このお守りは、夢を叶えてくれるからね 持っていきなさい。試験前にこれを握り締めると落ち着くよ 自分に自信をくれるらしい でも、終わったら返してよ 大事なものだから」

「ありがとう 先生 明日、頑張るね」

「孝弘君と一緒に受かるといいね」

「うん 一緒に頑張る 先生、富美 受かったら、ご褒美ちょうだいよ」

 僕は、軽く、いいよって応えていた。


 あのお守りは絢にどうしてもって頼み込んだんだ。何かで、富美子ちやんの自信を支えたかった。

「頼む ちょっとの間、貸してくれ 絶対に返すから」

「なんでー 何すんのよー おかしくない?」

「うん 富美子ちゃんの試験あるから貸してあげようと思って」

「なんで その富美子ちゃんに・・ 効き目ないわよ これは、私だけを助けてくれたの そんなに富美子ちゃんのこと気にしてるの」

「うん あの時の、絢みたいだから 絢の神通力も借りたいんだ どうしても合格させてやりたい 頼むよ」

「わかっった こんなんでも、受かるといいわね」
 
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