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イベリス

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第八話 速水の訪問その三

「そんなことして」
「普通は捕まるわよね」
「凶器よ」
 そこまでいくと、というのだ。
「知らないで済まないから」
「床の上で背負い投げしたら駄目だって」
「畳の上以外で柔道の技は絶対に仕掛けないことよ」
「危ないから」
「正当防衛にならない限りね」
「それをやったから」
「その先生も犯罪者になってもね」
 それこそというのだ。
「おかしくないわよ」
「それでもね」
「捕まらないのね」
「今も先生やってるみたいよ」
「じゃあ今もそんなことしてるのね」
「そうだと思うわ」
「とんでもないわね、一般社会ならクビでも」
 会社をそうなってもというのだ。
「学校の先生は違うのね」
「普通のお役所でもそうなるわよ」
「そんなの完全に犯罪じゃない」
「人にそうした時点で終わりでしょ」
「学校の先生だけ捕まらないって」
「とんでもないことね」
「そうした先生に巡り合ってね」
 そうしてというのだ。
「もう絶対に部活に入らない」
「そうした人もいるのね」
「それ滅茶苦茶運が悪いわね」
「犯罪者になる様な暴力教師に会うとか」
「しかもそれで部活自体嫌になるとか」
「運がないわね」
「私はそうした人には会ったことないから」
 咲は自分のことも話した。
「有り難いことにね」
「それで漫研なのね」
「部活は」
「中学からそうなのね」
「そんな先生が顧問だと逃げてたわ」 
 咲は断言した。
「本当に」
「それがいいわね」
「そんな暴力教師の傍にいたら絶対に駄目よ」
「暴力受けるだけよ」
「しかも暴力振るった人はお咎めなし」
「そんなの大損じゃない」
「誰だって暴力なんて振るわれたくないわよね」
 咲はどうかという顔で話した。
「やっぱり」
「それは当然でしょ」
「変な趣味の人でもないと」
「誰もいつも殴ったり蹴ったり罵ったりする人の傍にいないわよ」
「だから皆ヤクザ屋さんの傍にもいないのよ」
「そんな部活絶対に入ったら駄目でしょ」
「そんな先生が顧問の部活なんて」
 クラスメイト達も口々に言った。
「どんな活動していてもね」
「そのうち自分が怪我するわよ」
「そうなるから」
「絶対に逃げるべきよ」
「それか最初から近寄らないことよ」
「それがいいわね」
 咲は強い声で言った。
「さもないとね」
「こっちが泣くから」
「そうなるからね」
「殴った方はのうのうとしてるし」
「それじゃあね」
「勿論暴力の現場は抑えて」
 ここでこうした意見も出た。
「スマホの動画を録画して」
「それいいわね」
「それで動画拡散させたらいいわね」
「これは効くわよ」
「それもかなりね」
「それね、確かにいいわね」
 咲もその考えに賛成した。 
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