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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第三百十五話 親父と会う前にその六

「お握り、天むすとか何かチーズケーキみたいな形にしたな」
「あそこは本当にお料理駄目なんだね」
「噂通りだぞ」
「そうだよね、こっちに来てるイギリスの子達もね」
 これが結構いる、スコットランドやウェールズや北アイルランドから来ている子達もいてそれぞれ結構違う。
「言ってるよ」
「イギリスの料理はまずいってな」
「親父の頃からだよね」
「ああ、ハリーポッターみろ」
「あれね」
 映画の食堂の場面だ。
「かなり凄いね」
「あれは実際だからな」
「物凄い粗食だね」
「味付けも酷いんだよ、焼き加減もな」
「だから味がよくないんだね」
「イギリスの独特の文化はいいけれどな」
 それでもというのだ。
「料理はな、毎食朝食かカレーでないとな」
「カレーだね」
「イギリスでもやたらあるからな」
 カレーがというのだ。
「まあそれか中華料理かハンバーガーだな」
「その二つはイギリスじゃないよね」
「けれど店はあるからな」
 だからだというのだ。
「そうした店に入れよ」
「イギリスで美味しいもの食べようと思ったら」
「ああ、アメリカは案外美味いものも店も多いけれどな」
 それでもというのだ。
「イギリスはな」
「期待出来ないどころか」
「あれだ、ダンテの神曲のな」
 文学の話も出た。
「ここを潜る者一切のってあるだろ」
「地獄に行く時だね」
「あの作品どう見てもメインは地獄だろ」
「他の世界にも行ってるよね」
 主人公である作者自身がだ。
「そうだよね」
「けれどメインはそれだろ」
「煉獄とか天国にも行ってるけれど」
「地獄がメインだろ」
「もうあそこの場面がね」
 範囲といい描写といいだ。
「凄いよね」
「その地獄にな」
「行くつもりでなんだ」
「イギリスの料理食えよ」
「酷い言い方だね」
「イギリス人自身認めてるからいいんだよ」
「確かに認めてるね」
 僕の知り合いのイギリスから来た人の共通事項の一つだ。
「そのことは」
「だからな」
「いいんだね」
「ああ、もうな」
 それこそというのだ。
「だから俺も言うんだ」
「今こうしてだね」
「そうだよ、それでイタリアの方はな」
「美味しいんだね」
「そうだよ、だから満足はしているさ」
 全体としてというのだ。
「そもそも不平不満ばかり言ってもな」
「何にもならないね」
「満ち足りていてもな」
 傍目から見てだ。
「不平不満ばかりの人いるだろ」
「いるね」
「お世話になっていてもな」
「文句ばかりの人もいるね」
「そうなったらな」
 もうそれこそという言葉だった。
「人間それだけで不幸せなんだよ」
「文句ばかりだと」
「ああ、それよりもな」
「多少不平不満があっても」
「それ以上にいいことがあるならな」
 それならというのだ。 
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