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受け継がれる愛情

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第一章

               受け継がれる愛情
 ロージー。上が焦げ茶と黒の虎模様で下が白い彼女はクリーム色と白の毛のシベリアンハスキーの雌のリロと一緒にいる。
 ロージーにとってリロはまさにお母さんだが。
「今度はか」
「ええ、ロージーがお母さんになるの」
 二匹を飼っている家の主婦が夫に話していた。
「子猫を預かるから」
「そうか、一時でもか」
「ロージーにもお世話お願いするわ」
「それで小猫は何匹なんだ」
 夫は妻に問うた。
「一体」
「九匹よ」
「九匹?多いな」 
 その数を聞いて夫は思わず言った。
「それはまた」
「そうでしょ、けれどね」
「皆預かってか」
「暫くの間ね、そしてね」
「ロージーにか」
「お母さんになってもらうわ」
「リロに育てられてな」
 夫はここでロージーが家に来てからのことを思い出して述べた。
「そしてな」
「今度はね」
「ロージーが育てるんだな」
「そうなるのよ」
「どうなるだろうな」
 夫はここでロージーを見た、見れば。
 ロージーは今もリロと一緒にいる、ソファーの下でリロにもたれかかって仲良く寝ている。その彼女を見て言うのだった。
「今もまだな」
「育てられる感じね」
「娘だけれどな」
 リロのそれだというのだ。
「お母さんになれるか」
「歳はもうお母さんでしょ」
「猫だとな」
「だからね」
「大丈夫か」
「リロにずっと愛情を受けているから」 
 だからだというのだ。
「大丈夫よ」
「そうか、じゃあな」
「ええ、今度はね」
「リロがお母さんね」
 こう話してだった、そして。
 家に九匹の子猫を受け入れた、その子猫達は。
「ニャア」
「ニャオン」
「ミャウン」
「ニャ~~ン」
「ニャンニャン」
「ニャウ」
「ニャンッ」
「ナア」
「ニャオン」
「ミャウ」
 皆元気で色は黒や茶と黒、雉、ロージーと同じ模様、実に色々だった。その子猫達がロージーそしてリロの前に出されると。
 夫は妻に言った。
「さて、これからな」
「ええ、ロージーがね」  
 妻も応えた。
「どうかよ」
「そうだな、さてどうする」
 そのロージーを見て言った。
「ロージーは」
「最初が肝心だけれど」
「どうするんだ」
 二人はロージーの動きを見守った、すると。
 ロージーはゆっくりと九匹のところに来た、そして。
「ニャン」
「ニャ~~~ン」
「ナァ~~~オ」  
 すぐに子猫達の中に入ったそれぞれの身体を優しく舐めた、それからはまさに母猫が子猫に接する様にだった。
 子猫達の傍にいて優しく接し教えることは全て教え。 
 いつも一緒にいた、それはまさに母猫の姿だった。
 リロはその彼女を見守っていた、そして彼女も子猫の面倒を見たので。 
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