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星河の覇皇

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第七十七部第五章 戦争以上の問題その十八

「実際に」
「その通りですね」
「マウリアは我々の同盟国ですが」
「同時にエウロパの同盟国でもあります」
「この千年我等の間を動いてきました」
「正直エウロパ寄りに思えますがね」
 このことはマウリアにしてみれば常に劣勢なエウロパを助けてバランスを取っているというに過ぎない、彼等にとってみれば当然のことだ。 
 しかしだ、連合にとってはというと。
「忌まわしいですね」
「全く以て」
「食えない国です」
「顔では笑っていますが裏ではそうしている」
「何かと厄介です」
「そんな国ですね」
「私もそう思います、あの国はです」
 キロモトも述べた、紹興酒を一杯飲みながら。
「あの国の思惑で動いていて」
「連合とは違う国なので」
「その中にはない国ですので」
「連合の共通認識ではエウロパは敵ですが」 
 このことは絶対のことだ。
「あの国はマウリアです」
「連合ではありません」
「エウロパは敵でない」
「だからですね」
「エウロパとも組む」
「そうすることにも躊躇しませんね」
「むしろ国益の為ならです」
 その為ならというのだ。
「そのエウロパともですね」
「手を組みますね」
「その様に動く」
「そうしてきますね」
「そうです、国益はです」 
 それはと言うキロモトだった。
「国家が求めるものですね」
「そうです、そして政治家は国益の為に働く」
「国家と市民に国益をもたらすことが仕事です」
「もっと言えば義務です」
「その為給与を貰っていますから」
「国家の為に働いてこそです」
 また言うキロモトだった。
「政治家です、そして」
「マウリアという国、そしてあの国の政治家達も」
「その様にしてですね」
「働きそして」
「働いていますね」
「そうです、ですから」
 それ故にというのだ。
「マウリアはマウリアの国益を求めていまして」
「エウロパと組む」
「そうしていますね」
「エウロパに利益をもたらす」
「マウリアの為に」
「そうです、彼等はバランサーです」
 連合とエウロパの間に立つ、だ。
「バランサーならです」
「連合とエウロパの間に立つ」
「そしてそのバランスを取る」
「そうして利益を得る」
「それが彼等の国益ですね」
「ですから」
 その為だからだというのだ。
「彼等はです」
「今は劣勢のエウロパを助けていますか」
「連合に対する力を持つ様に」
「そして両国のバランスを取り」
「利益を得ていますか」
「そう考えています」
 マウリア、彼等はというのだ。 
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