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イベリス

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第六話 入学式の後でその五

「声かけられないから」
「そうなのね」
「まあ私みたいに派手にするのはお金がかかるし」
 実際に愛は自分のファッションには金をかけている、アルバイトで得たそれをかなり注ぎ込んでいる。
「ジャージね」
「それがなのね」
「いいわ、もう近所のコンビニに行く時でもね」
「ジャージに眼鏡、シューズかサンダルで」
「髪の毛もボサボサならね」
「声もかけられないのね」
「ええ、ただそんな時も警棒とかは持っていてね」
 護身は忘れずにというのだ。
「いいわね」
「護身用に」
「用心に越したことはないから」
 だからだというのだ。
「いいわね」
「そのことはなのね」
「忘れないで」
 そしてというのだ。
「やっていってね」
「それじゃあ」
 咲も頷いた、そして。 
 ワインを飲んでからこう愛に言った。
「地味な恰好で」
「そう、それと護身用のでね」
「二段でいくのね」
「そうしたらいいのよ」
 それでというのだ。
「念には念を入れてよ」
「悪い人や悪いことに注意して」
「かつね」
 それに加えてというのだ。
「そういうことなのよ」
「世の中大変ね」
「楽しいことも一杯だけれど危険も一杯よ」
 愛はこの真実を話した。
「本当にね」
「そうなのね」
「そう、そしてね」 
 それでというのだ。
「咲ちゃんはこれから人生を楽しみながら」
「注意もなのね」
「していってね、深く考える必要ないから」
「そうなの?」
「そうよ、要するに自分のことは自分で守る」
 愛はハンバーグを食べつつ話した、咲の母の手作りであり量も多く愛も楽しんで食べている。味もいい。
「そういうことよ」
「そうなの」
「だからね」
 それでというのだ。
「深くはね」
「考えなくていいの」
「自分が嫌な目に遭わない」
「そういう風にしていくことね」
「要するにね。咲ちゃんも襲われたりしたら嫌でしょ」
「電車の痴漢も嫌よ」
 そのレベルでとだ、咲は答えた。
「とてもね」
「そうでしょ、だったらね」
「それならなのね」
「そう、嫌な目に遭わない」
「そう考えてなのね」
「やっていけばいいのよ」
「本当に簡単に考えていいの」
「そういうことよ、それとね」
 愛は咲にさらに話した。
「素敵な男の人に出会ったら」
「素敵な?」
「そう、これはっていう人だって思ったらね」
 それならというのだ。
「その人をよく見て」
「それでなの」
「そう、そしてね」
 それでというのだ。 
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