| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ダンジョン・バトルロワイヤル~超頭脳による世界救済最善ルート~

作者:txksr
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第一部
エピソード1
  第14話 【広告塔作成(黒鉄)②】 ふっ…計画通り。

しかし残った2体のゴブリンは前へと躍り出た2人の男子をすり抜け、
魔法を放った2人の女子にナイフを振り下ろした。

『『キャー!?』』

『牧野!? 藤井!?』

ナイフに襲われた2人の女子学生は悲鳴を上げ、
後ろに控えていた男子がタンク役の2人の男子の名前を叫ぶ。

『す、すまねぇ…』
『ご、ごめん…』

名前を叫ばれた2人の学生は、震える声で返事をする。

(まあ当然だろう。
今までは数にものを言わせて集団で倒していたのに、
いきなり1人で武器を持った初見の敵の相手をするなんて無理だ。
タンク役の2人は最初から声も足も震えていたしね。)

そして、ゴブリンは弱者―――
弱っている、もしくは体力の低そうなものから襲うような習性がある。

最初に魔法を受けたゴブリンは消滅したが、
魔法を放っていた女子のうち1人は瀕死だ。
学生たちは恐慌状態に陥っており、戦局は混乱を極めていた。

―――そして結局、2人の学生がゴブリンの凶刃により命を落とした。

(…殺しちゃったか。
うーん…もう少し賢くないとうまくいかないな。
かといってダークエルフは出せないし。
まあ今回は相手が逃げなかったし、仕方ないか。

それに仲間が死んだことによって、
この宝箱を開けた時に
『これを手に入れるためだから仲間の死は無駄じゃない』って思って
勝手に宝箱から出た装備の価値を高めてくれるし、むしろ結果オーライかな。)

『鈴木…。 田中…。』
『こんな世界は間違ってる! 間違っているんだぁぁぁぁぁ!』

宝箱の前だが勝利に浸ることもできず、泣き崩れる10人の学生。

『とりあえず…宝箱を開けよう。』
『…そうだね。』

学生たちは宝箱を開放する。

『…剣?』
『貸してください。 …黒鉄の剣? ―――!? ランクD!?』

宝箱に収まっていた剣をメガネ君が鑑定する。

『それってすごいの?』
『すごいなんてものじゃないよ!
ここで2回に1回手に入ると言われている鉄の剣はランクEだよ!
他のダンジョンでもランクEはたまに出ることもあるらしいけど、
ランクDなんて聞いたことないよ!』
『…つまり?』
『僕が知る限り、世界最強の武器だよ!』

思わぬ宝に大喜びする学生たち。

彼らはこのダンジョンの奥底で魔王が笑っているなど、
露とも思わないのであった。

****

その後、学生たちは進むべきか戻るべきかでもめていた。

(戻ってほしいけど…まあまず戻らないよね。
剣の性能を過信させつつ逃げるように仕向けないとな。)

『せっかく武器を手に入れたんだし、少しだけ進もうか。』
『大丈夫かな?』
『あんなイレギュラーなこと、もうないだろ。』
『ゴブリンが出たら撤退しましょ。』
『撤退か…』
『出口君は不満なの?』
『不満というかさ、実はさっきレベルが3に上がったんだ。
しかも今はこの剣もあるだろ? 今ならゴブリンにも勝てるかなって…』

出口君―――バットの男子―――が黒鉄の剣の所有権を得たようだ。

『まあ、危険を感じたら帰ろう。 出口君もそれでいいか?』
『ああ…わかった。』

結局、予想通り学生たちは奥へと進んだ。

****

その後ウルフやバットといったスライムたちより
格上の配下が学生たちの行く手を阻むが、
阻止には至らなかった。

阻止できなかった理由は2つ。

1つ目は、単に黒鉄の剣が強かったから。
     ランクDの黒鉄の剣に対してウルフやバットはランクE。
     魔物の体はバターのように簡単に切れてしまっていた。

2つ目は、ハルキが手を抜いたから。
     黒鉄の剣の性能を過信させるため、
     配下の数を本来より減らした上にわざと手を抜くように命令した。

そのため、彼らは自分たちがとても強くなったと勘違いした。

そして剣の性能を過信させた理由は…
黒鉄の剣を広めさせるためと、
もし絶対の信頼を置いていた最強の武器をもってしても
歯が立たない敵に会った場合に確実に逃げることを選択するから。

苦戦してしまうと剣の性能を疑われてしまうかもしれない。
そしてさらに、苦戦したにもかかわらず逃げなければいいことがない。

しかし途中まで簡単に勝たせておけば、
もし勝てない敵に会っても「その敵が強すぎるから勝てなかっただけで、
剣が弱いわけじゃない。」
と判断してくれる。

ハルキはそう考えるとひとりほくそ笑み、配下に指示を飛ばすのであった。

****

快進撃を続ける学生たち。 彼らはすでに支配領域を半分近くまで侵略していた。

支配領域の中間地点。 広がった空間に、設置された無数の岩。

岩の奥には木の弓を持っているゴブリン20体と
黒鉄の弓を持っているダークエルフ3体が控えていた。

そして自分の力に酔いしれている学生たちがついに中間地点に足を踏み入れた、
その時―――

無数のバットが天井から超音波を発し、学生たちの脳を刺激する。

岩の奥からは無数の木の矢が降り注ぐ。

木の矢が広範囲に降り注ぐ中、明確な殺意を持った1本の矢―――
ダークエルフの放った漆黒の矢が、
ひとりの男子―――出口君の胸を貫いた。

『『『キャァァァァァ!?』』』
『『『うわぁぁぁぁぁ!?』』』

『…え? …ちょ…な、なん…』

響き渡る学生たちの悲鳴、そして胸を貫いた黒色の矢に視線を落とす出口君。

『に、逃げろおおお!』
『『『うわぁぁぁぁぁ!?』』』

悲鳴を上げて、来た道を引き返す学生たち。

『ま、待って! 出口君が!』

ひとり、倒れた男子に気づき狼狽する女子。

『さ、佐山…お前も逃…げ、ろ。 俺は…もう…だ、め…だ。』
『嫌ぁぁぁぁぁ!?』

泣き叫ぶその女子に一振りの剣を渡し、出口君はその女子の前で両手を広げる。

『行け! 行けえええええ!!』

なおも泣き叫ぶその女子を後ろの道へと押し、出口君は叫ぶ。

その女子は一本の剣を抱えると、泣きながら来た道を走り去った。

こうして侵略してきた12人の学生は9人へとその数を減らし、
ハルキの支配領域から撤退したのであった。

(ふっ…計画通り。
姿は一切見せなかったからダークエルフがいることもばれてないだろう。
一応保険で3体行かせたけど、1体で十分だったな。

手に入る武器の中で最高ランクである鉄の剣で人類を引きつけた後、
今の最高ランクを更新する黒鉄の剣を、いわゆる『パリピ』に取らせる。

そうすることで広範囲にこの支配領域のことが広まり、
黒鉄の剣を求めて高レベルの人類もたくさんここにやってくるだろう。

そうすれば僕のレベルアップも早くなるし、
他の支配領域は人気が減るから他の魔王のレベルアップも遅らせられる。

因みに最初にパリピに取らせる理由は、
SNSとかで広めてくれそうだし取材にも応じそうだからだ。
『最初に』手に入れたっていうのは注目を集めやすく広告塔にしやすい。
そしてパリピは目立ちたがり屋が多いから、
ちゃんと広告塔の役割をしてくれるからな。

それに強い武器を手に入れて調子に乗ってしまったら、
追い返すために最低1人は殺さないといけない。
そうすると恨まれるだろうが、
その恨み具合も普通の人よりパリピの方が弱そうだしな。

さすがにランクD装備は大量に渡すわけにはいかないから、
今後は2日に1つ黒鉄シリーズを宝箱に入れておこう。

今はまだ【真核】を狙われても容易に防げるし、
今のうちにどんどん人類を狩ってさっさとレベルアップしておこう。
まあいざとなったら『稼ぎ場』であることを理由に
保護を促すように情報操作するけど。

…それにしても、
まさか出口君を助けようとするのが1人だけとはひどい奴らだな。
黒鉄の剣を置いていってしまうのかと一瞬焦ったぞ。
それに比べて出口君は自分の命を諦めて助けようとした人を逃がすとは、
敵ながらあっぱれだ。
安心しろ。 僕がこのプロジェクトを終わらせるから…君は必ず、生き返る。)

****

数時間後。

ハルキは先ほどの作戦―――
支配領域の宣伝がうまくいっているかを確認するためにネットを開いた。

(お、あったあった。 さすが『パリピ』。)

すると先ほどの学生集団のひとりが、
SNSを用いてランクD装備を入手したことを自慢げに投稿していた。
さらに、レベル5になったーーー
黒鉄の剣入手後にウルフたちを倒してさらにレベルを上げたのだーーー
ことも自慢していた。

最初は「嘘松発見w」とネタ扱いされていたが、
他の侵入者―――おそらく入口付近の配下を倒して満足して撤退した者たちーーー
もハルキの支配領域は安全に魔物を倒せると擁護。
もちろんハルキも追従して自分の支配領域を擁護した。

さらにはとあるニュース番組が取材を申し込み、
黒鉄の剣を抱えた女子学生を写真付きで報道したことから、
この情報は爆発的に広がっていった。

そして、そのときからハルキの支配領域はさらに人気が急上昇するのであった。
 
 

 
後書き
※「」…ハルキ(主人公)、『』…txksr(作者)

————————————————————————————————————————————

『出口君かっこいー!』

「そうだね。」

『! 近寄るな! 出口君を殺した人殺しめ!』

「いや、しょうがないでしょ。
人類と魔王が争うのがこのラノベの内容なんだから。」

『だからって、だからって…あんないい子を殺すことなかったじゃないか!』

「いいじゃない。 どうせ生き返るんだから。」

『そんなことわかんないだろ! もしかしたら君が負けちゃうかもしれないし!』

「ん? てことは負けなかったら生き返るの?」

『は? そんなの当り前じゃない。 だって黒幕にそうお願いするんでしょ?』

「ということは、黒幕はそのお願いを聞いてくれるってことだね。
いやー、よかった。 【スペシャル】をそれに使わなくて。」

『…あ。 …い、いや、そうかもなぁ…ってことだよ?』

「これで5回目だね。 記録更新だ!」

『し、しまったあああああ!?』

————————————————————————————————————————————

「面白かった」・「続きが気になる」という方は、
高評価とお気に入り登録をしてくれると嬉しいです。

また、エッセイも投稿しております。
こちらはひとカケラの面白さもないですが、
知っていればいつかあなたの役に立つことが書けたと思うので
よかったら読んでみてください。

「【健康大全】 エッセンスver.」と
「【何かを上達させたいときにまず最初に知っておくべきこと】」
の2つは特におすすめです。

…あと、作者は豆腐メンタルなので叩かないでください。

いや、ほんとマジで。
 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧