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夢幻水滸伝

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第百九十七話 豊かな国を背負ってその十

「まさにそれや」
「我々はそうは思いませんが」
「ハリム様は立派です」
「非常にお強いです」
「まさに我等の柱ですが」
「いや、アミンも強いに決まってる」
 その敵であるマレーシアの彼もというのだ。
「おいらとどっちが強いかわからん位な、虎と虎が戦ったらどないや」
「共倒れです」
「その時はそうなります」
「例え一方が勝ったとしても」
「もう一方も満身創痍です」
「そしてどっちも倒れてしまいます」
「虎同士が争えば」
「そうなる、星のモン同士も同じや」 
 絶大な力を持っている彼等もというのだ。
「どっちも只では済まん、そしてマレーシアの方が国力があるさかいな」
「それで、ですね」
「後はマレーシアに併呑される」
「下手をすれば戦になり」
「この豊かな国もですか」
「戦禍で傷付く、それがな」
 どうしてもというのだ。
「嫌やからな」
「だからですね」
「外交に力を入れて」
「そうしてですね」
「そうしてな」
 そのうえでというのだ。
「国土と民を守る、そこからな」
「この世界も救う」
「そうされますか」
「だからですか」
「これよりは」
「まずはシンガポールに使者を送って」
 そしてというのだ。
「そのうえでな」
「あちらの星の方とお話をされて」
「そこから同盟に話を進める」
「そうされますか」
「そうしよか、それとシンガポールの星の人は二人やが」
 その彼等のことも話した。
「やっぱり凄いのはリーさんやな」
「神星の方ですね」
「この東南アジアの星の方で唯一の神星の方ですね」
「あの方が重要ですね」
「あの人にはおいらは絶対に勝てん」
 ハリムは断言した。
「それこそ万に一つもな」
「勝てないですか」
「あの方には」
「ハリム様でも」
「術の威力がちゃうし」
 それにというのだ。
「神具の十絶陣が恐ろしい」
「中に入ればその身体が瞬時に滅ぶという」
「あの神具ですか」
「リー様は戦になるとそれを周りに出され」
「そして戦われるそうですが」
「あれを出されるとな」
 十絶陣、それをというのだ。
「もうな」
「どうにもならないですか」
「ハリム様でもですか」
「リー様の十絶陣については」
「対抗出来ませんか」
「色々考えてるが」
 リーと実際に対した時を想定してだ、ハリムも考えているのだ。
 だがそれでもとだ、彼は答えた。
「しかしな」
「それでもですか」
「対策が思いつかれないですか」
「リー様の十絶陣については」
「そうなのですか」
「あの人は術だけでも相当やしな」
 これは元々の知力に加えて神具で強化されているからである。 
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