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絢と僕の留メ具の掛け違い・・そして 結末

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2-⑷

 二学期が始まって、みんなが夏休みの工作・絵を持ちながら登校してきた。僕は割りばしを細工して作った家を持って行った。ありきたりの作品だ。

 絢はやはり絵だったが、なぜか、あの祭りの絵で、行き交う人々、露店の様子が細かく画れていて素晴らしいと思ったのは僕だけだったんだろうか。もしかすると、彼女は独りであの光景を見に行って描いたのだろうか。そう思うとなんか心が締め付けられる思いがした。それに、その絵の中には、他の人にはわからないと思うが、浴衣を着た絢と僕が並んで露店の前に居る姿が描かれているようにも思えた。
 
 例のごとく、期末テストの成績順の席替えが始まった。トップは石川進、いつもの定位置だ。二番目に健チャンが呼ばれた。又、負けた。絢とあんなに勉強したのに追いつけない。けれど、三番目に呼ばれたのは僕の名前だった。

 そして、四番目が早瀬いづみ。席を移動してきたときに、悔しいのか僕の方を見てきた。というのも二番三番が彼女の定位置だったから。クラスで一番の女子というプライドも高い。それよりも、隣には絢が来るのではという淡い期待があったのだが・・・。

 そのあとずーっと彼女の名前は呼ばれなかったが、ようやく九番目になった時に

 先生が「よく頑張りました、本町さん」と言った。

 絢だ、その時、みんなからはどよめきみたいな声がした。

「なんでぇー」って叫んでいる女子も居た。

 みんなの視線の中、絢は僕の前の席に移動してきた。

「えへっ 隣にはなれなかったね でも前だから良いよね」と言っていたが、

 早瀬いづみがその様子をじっーと見つめているのを僕は見てしまった。
 
 その後「やっぱり算数の出来が良くなかったからだろうな、次は頑張るね、モト君を追っかけてゆくからネ」と言っていた。

 という訳で僕と彼女の二人三脚はつづく。彼女はそれでもクラスの女子の中では四番目だし、次は、僕は健チヤンに勝たなければ・・・。 
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