新ヘタリア学園
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第千二百二十三話 槍一筋
第千二百二十三話 槍一筋
山縣さんと言えば槍です、槍術免許皆伝でその腕前たるや見事なものでした。
「あれはな」
「身分の違いをですね」
「身を以て思い知らされてからだった」
山縣さんは日本にお話しました。
「いじめを止めて」
「そしていじめっ子の親御さんが身分の高い人で」
「祖母に助けられていないと」
袋叩きに遭って川に放り込まれたのです。
「どうなっていたか」
「その時からでしたね」
「私は一心不乱に槍に打ち込んだ」
もう毎日必死にです。
「その結果だ」
「そうでしたね」
「そしてその槍がだ」
槍術そのものがというのです。
「私を形作った」
「そこまでのものですね」
「あの時ああならなければ」
死にかけなかったらというのです。
山縣さんはなかった、そこまでだったというのです。山縣さんが槍一筋になったのはこの時からだったのです。
第千二百二十三話 完
2021・5・15
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