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夢幻水滸伝

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第百九十七話 豊かな国を背負ってその六

「それでおいらが戦で破ったモンを殺すか」
「それはされない」
「そう言われるのですか」
「では我々は」
「命は」
「財産や家族は」
「これからはおいらの下で働いてもらうで」
 笑顔での返事だった。
「ええな」
「はい、わかりました」
「ではこれからお願いします」
「そしてですね」
「これからはですね」
「ブルネイ統一に働いてもらって」
 そしてというのだ。
「そのうえで発展の為にもな」
「働く」
「そうすればいいのですね」
「これからの我々は」
「そや、そしてこの世界を救うで」
 こう言ってだった。 
 ハリムはその降った者達を自分の麾下に加えてだった、彼等を将兵や官吏として用いていった。そうしてだった。
 ブルネイ統一を進めていった、そして。
 ブルネイは程なくして統一された、ハリムは統一を達成した夜祝いの宴を開き酒も馳走も楽しんだが。
 酒を飲みつつだ、彼は笑って周りに話した。
「アッラーはお酒についてもな」
「コーランでは戒めていますが」
「それでもですね」
「許してくれますね」
「謝れば」
「真面目な人はほんまに飲まんけど」
 ムスリムの中でもとりわけそうである者はというのだ。
「けれどな」
「我々は違いますね」
「こうして飲んでいますね」
「祝いとはいえ」
「そうしていますね」
「そや、こうしてや」
 そしてというのだ。
「飲んでるわ」
「左様ですね」
「それではですね」
「今宵はそちらも楽しみますね」
「馳走だけでなく」
「そうしよな、それと明日からはな」
 統一を果たしたならというのだ。
「戦は守りを軸にしてな」
「他の国との戦は避けますか」
「その様にしますか」
「ブルネイは統一したので」
「それで、ですね」
「それはせんわ。ただな」
 それでもとだ、彼は周りにさらに話した。
「忙しいことは変わらんで」
「というと政ですか」
「それに励むのですね」
「これからは」
「前から言われていましたが」
「そうするで、折角豊かな国やからな」
 その豊かさは東南アジア随一と言っていい、貿易だけでなく資源も豊富でそれで非常に豊かな国なのだ。
「それでや」
「我々はですね」
「これからは内政により力を入れる」
 その様にするというのだ。
「そうするで」
「わかりました、ではです」
「この国をこれまで以上に豊かにしますね」
「そうしてくで、あとな」
 ハリムはさらに話した。
「ブルネイだけやないで」
「東南アジアの他の国も観てですか」
「そうして動いていきますか」
「これからは」
「外交にも力を入れていきますか」
「我が国は前は海、残りはマレーシアに囲まれてる」
 ハリムはブルネイの地理的状況も話した。 
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