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イベリス

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第四話 家でこっそりとその八

「神変鬼毒って言うけれどね」
「何か漫画で読んだわ」
「酒呑童子よ」
「あの大江山の鬼ね」
「創作じゃよく出てるでしょ」
「私も読んだわ、そうした漫画」
 咲も答えた。
「ライトノベルではなかったと思うけれど」
「咲ちゃんがこれまで読んだライトノベルではなのね」
「けれどゲームではね」
 今までプレイしたそれではというのだ。
「あったわ」
「じゃあこの言葉も聞いたことあるでしょ」
「記憶にあるわ」
「これは人間でも同じでね」
「程々ならお薬で」
「飲み過ぎたら毒になるのよ」 
 こう変わるというのだ。
「つまりはね」
「よく飲み過ぎでってあるわね」
「そうでしょ」
「ええ、身体壊すとか」
「これは実際にだから」
 愛はさらに注文をしてからまた話した。
「人間でもね」
「だからなのね」
「そう、注意しないとね」
 さもないと、というのだ。
「酒呑童子になるわよ」
「毒に苦しむのね」
「流石にそこを討たれないけれど」
「今の日本だとね」
「新選組じゃないから」
「ああ、新選組ね」
 咲はここでまた反応を見てた。
「ライトノベルでも漫画でもね」
「滅茶苦茶出てるでしょ」
「もう幕末っていったら」
 それこそというのだ。
「坂本龍馬さんと並ぶスターだから」
「それで咲ちゃんも知ってるわね」
「よくね、隊長全員言えるわよ」
「一番から十番まで」
「参謀さんや初代局長さんもね」
「その参謀さんと初代さんそれでしょ」
 まさにとだ、愛は話した。ここで注文した酒が来た。そして二人共それを飲みつつ曲を入れてあらためて話した。
「お酒飲ませて」
「後でね」
「暗殺だったわね」
「そうだったのよね」
「初代局長さんは芹沢鴨さんで」
 愛はさらに言った。
「参謀さんが伊東甲子太郎さんね」
「お二人共強かったけれど」
「飲ませてその後で」
「闇討ちとか待ち伏せして」
「そうだったわね」
「ええ、何かね」
 ここで咲はこう言った。
「ある人に言われたけれど新選組ってヤクザ映画みたいらしいのよ」
「極道?」
「裏切り裏切られで」
「武士じゃなくて」
「自分達は武士って言ってても」 
 その厳しい法度も武士道故だった。
「もう中で殺し合い外で殺し合いで」
「中でもだから」
「それも裏切り裏切られで」
 咲はまたこの言葉を出した。
「闇討ちとかばかりで」
「そう言われるとね」
「お姉ちゃんも思うでしょ」
「いや、私ヤクザ映画観ないから」
 それでとだ、愛は答えた。 
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