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絢と僕の留メ具の掛け違い・・そして 結末

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第一章
  1-1

 
前書き
 好きという訳じゃあないけど、なんとなく気になる女の子って居るものだ。だから 

 
 学級委員の選挙だ。クラスのみんなが投票用紙に男女一人づつ書いたのを集計する。1学期から3学期まで都度するので、だいたい勉強ができて、運動もそこそこの人が10票以上獲得して、上位3人ほどは、いつも決まっている。

 そんな中でいつも1票か2票僕の名前が登場する。無記名なので誰が入れてくれているのかはわからないが、そのうち1票は、多分、本町絢[モトマチアヤ]だ。僕の名前は水島基[ミズシマモトシ]、名前が読み上げられた時、彼女の方を見たら、机の上をじっと見ていた。少し、頬が紅くなっている。多少迷惑なんだけど・・・。

 本町絢は髪の毛が長く後ろでまとめて結んでいて、束ねたのを首から左の胸のところに持ってきている。クラスに20人程の女子がいるが、髪の毛が長いのは彼女だけだ。顔は可愛いほうだが、男子にはあんまり人気がない。というのは、成績がいつもビリから3番目辺りをウロウロしているから、どちらかというと目立たないからだと思う。

 選ばれたのは、男子では坂田哲夫、成績はあんまりよくないが運動はオールマイティに出来るせいかリーダーシップはある。女子は早瀬いづみ、可愛くて男子からも女子からも人気があるが、成績もトップクラスなのでみんなにはちょっと近寄りがたい存在だ。

植田先生が早速、授業を始めようとして

「今の席は中間テストの後で成績順に並べ替えます」と言った。

5年生の2学期以降この調子だ。慣れっこになっているが、みんなは えぇー と不満とか驚きとか様々な声をあげた。僕はだいたい上から5番目辺りにいるのでどっちでも良いけど、自分よりいつも成績が上で仲の良いグループの杉沢健一を抜くため、自分の成績の目安となるのでその方が良いかなと思う。5年生の時は、いつも負けていた。ただ、奴は算数だけは比較的苦手で、僕は得意な科目だ。今年こそ奴を上回りたいと思っていた。

 成績順になると本町絢とは席が離れる。好きというのではないのけれど、3年生の時から何となく隣り同士になることが多かったので親しみがある。それに、頭の回転は悪くないのに何で成績がそんなに良くないのか・・・。不思議だつたし、
「なんとかならないのか」と思っている。

「本町」って思わず声をかけた。

彼女は「えっ」って返して少し首をかしげたようだった。

「いゃ、べつにー」本を読んでいるふりをしてごまかした。  
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