| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

八条学園騒動記

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第六百十二話 わかりやすいことその六

「ロシアのお婆さんは」
「そういうことね」
「まあね」
 ここでだ、ルシエンも言った。
「服を着ていたらね」
「どうしてもよね」
「それはね」
 どうしてもというのだ。
「太って見えるよ」
「そうでしょ」
「ロシアならではだね」
「兎に角寒い場所ばかりの国だから」
「そうなるね」
「そうなのよ」
 アンネットはルシエンにも答えた。
「太って見えるのよ」
「そうした事情だね」
「昔は太ってる方がいいって言われてたし」
「昔は」
「二十世紀とかね」
 人類が地球にあった頃はというのだ。
「その頃はね」
「太ってる方がよかったんだ」
「女の人はね」
「それで太っていたんだ」
「太っていた方が頼もしいって思われてたの」 
 かつてのロシアではというのだ。
「それでお婆さんもね」
「太っていたんだ」
「皆ね、そしてね」
「そして?」
「今もそのお話が残ってるのね」
「連合の中で」
「実はそうじゃないのにね」
 アンネットはこのことは少し残念そうに言った、そして自分でティーパックで紅茶を淹れて砂糖もかなり入れて飲んでからまた言った。
「そう思われてるのね」
「ロシアの女の人って」
 ウェンディも自分で紅茶を淹れて飲みつつ言った、彼女はミルクティーにして砂糖は角砂糖一つであった。
「二十までは妖精で」
「そこまで奇麗で」
「二十を越えたらね」
「その太るね」
「そう言われてるわね」
「今だにね、けれどね」
「実は違うのね」
「太り気味位よ」 
 この時代ではそうだというのだ。
「脱いだが凄いって人も多いから」
「ボン、キュッ、ボンなのね」
「その意味でね」
 それでというのだ。
「凄い人も多いのよ」
「つまり伝説ね」
「千年以上続くね」
「よく続く伝説ね」
「私も思うわ、あと本当に厚着ね」
「そのせいなのね」
「それね、ロシア人の厚着はね」
 アンネットはまたこのことを話した。
「本当にマトリョーシカになるから」
「マトリョーシカなの」
「だって体型が丸くなって」
 見たそれがというのだ。
「それで何着も着てるから」
「あっ、そうだね」
 ルシエンもその話を聞いて頷いた。
「まさにね」
「マトリョーシカよね」
「うん、確かにね」
 それはというのだ。
「何着もだから」
「脱ぐだけ小さくなるし」
「本当にマトリョーシカだね」
「それになるのよ」
「ロシアの女の人は」
「けれど何故かこう言われなくて」 
 マトリョーシカとはだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧