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おぢばにおかえり

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第六十四話 阿波野君と先輩その一

               第六十四話  阿波野君と先輩
 先輩と携帯でお話して言いました。
「今度うちで阿波野君と会ってくれませんか?」
「あの子となのね」
「はい」
 素直に答えました。
「そうしてくれますか?」
「私はいいけれど」
 それでもという返事でした。
「彼は大丈夫なの?」
「私が会ってって言ったら納得してくれました」
「だったらいいけれど」
「私がきつく言っておきましたから」 
 失礼のない様にです。
「安心して下さい」
「あの子の私への誤解を解こうっていうのね」
「先輩が悪く思われたままって嫌ですから」
 先輩みたいないい人をです。
「ですから」
「有り難う、ただね」
「ただ?」
「あの子私が残酷って言ってたけれど事実だから」
「いえ、そんなことないです」
 そのことは否定しました。
「絶対に」
「ちっちはそう言ってくれるけれど」
「私から見たらそうです」
「だからなのね」
「はい、阿波野君にもそのことをわかってもらいます」
 そう思ってです、今回のことは。
「ですから是非」
「あの子となのね」
「私のお家でお会いして下さい、それに」
 私はさらに言いました。
「一度私のお家に来て欲しかったですし」
「ちっちのお家は教会だから」
「はい、先輩のお家も教会ですね」
「そのこと一緒だったわね」
 先輩は電話の向こうで笑ってきました。 
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