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ロックマンX~Vermilion Warrior~

作者:setuna
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Mission:12 FM集積プラント

翌日、超フォースメタルの解析が完了し、全員がモニタールームに集まる。

「この超フォースメタルを解析した結果、こいつは通常のフォースメタルの1万倍違いエネルギーを持っておるグワ!!」

「どういうことなんだ?」

「凄いのは何となく分かるけど、だから何なの?浸食値とかが異常に高いとか?」

「まあ、それもあるけどよ。こんな一摘まみ分の小さいサイズの超フォースメタルでも、通常のフォースメタルの1万倍のエネルギーがあるってことは、この超フォースメタルが爆発しようものなら、最低でもギガンティス全体を消し飛ばして塵にする程の破壊力を秘めてるってことなんだよ」

「はあっ!?」

「ええ!?うっそおっ!?」

「そんな小さいフォースメタルのエネルギー爆発でギガンティス全体があ!?」

「ルナ!そいつを絶対に落とさないでくれよ!!」

マリノやルイン、アクセルとマッシモが僅かに後退するが、ルナは笑いながら説明する。

「大丈夫だってそんなに怖がらなくてもよ。この超フォースメタルはかなり高性能なケースに収められていて、超フォースメタルのエネルギーは安定しているから大丈夫。強引にエネルギーの波長を狂わせたりすれば話は別だけどな」

「脅かすな全く…」

「そ、それにしてもそれだけのフォースメタルを造れるなんて、リベリオンには本当に優れた技術力があるんだね…」

溜め息を吐くゼロと苦笑しながらルナの手にある超フォースメタルを見つめるルイン。

「とにかく、超フォースメタルを造るためには、膨大な量のフォースメタルが必要となるわけじゃな」

「ギガンティスで、超フォースメタルを造れそうな施設に心当たりはありませんか?ガウディル博士?」

ルインに尋ねられ、ガウディルは顎に手を遣りながら唸り始めた。

「う~む、ギガンティスでそれだけ膨大な量のフォースメタルを扱える場所は…フォースメタル集積プラントのメルダ鉱石プラントグワ!!」

「なら、そのメルダ鉱石プラントとやらに行ってみるか。これ以上、超フォースメタルを造らせないためにもな」

「そうだね、行こうよエックス」

「ああ、それでは行ってくる」

エックス達はメルダ鉱石プラントに早速向かうために転送システムに乗り込み、暗闇の中に雄々しく聳え立つメルダ鉱石プラントに辿り着いたエックス達だが…。

「寒っ!?な、ななな何でこんなに…寒いの…」

あまりの寒さにルインだけではなくほとんどのメンバーが震えた。

「フォースメタルは精製時に凄い高熱を放ちますから、それを冷やすために、メルダ鉱石プラントは極低温になっているって博士が言ってました。」

「そういうのは事前に言って欲しいよね。全く自分が行かないからって説明不足なんだから」

シナモンの説明にアクセルが愚痴る。

「後マイナス2~3℃低ければ確実に動力炉が凍結して機能停止するだろうな」

「ゼロ、こういう時にそんなことは言わないで…よし、PXアーマー。これで中を探ろうか」

冷静なゼロの言葉にツッコミを入れつつPXアーマーに換装して、レーダースコープを起動させながら早く寒さから逃れるために施設の中に侵入したのであった。

一方、エックス達との戦いで逃げ延び、メルダ鉱石プラントに来ていたボロックは、スカーフェイスからフェラムがメルダ鉱石プラントにあるメンテナンスルームにいる事情を聞いて、吹き出しそうになるのを堪えるので必死だった。

「では何です?フェラムは先走ったことをして、しくじった挙げ句、エックス達の仲間にあっさりと返り討ちに遭って重傷を負い、メンテナンスルーム行きというわけですかスカーフェイス?」

スカーフェイスと呼ばれたレプリロイドはフェラムがいるメンテナンスルームを見つめながら頷く。

「エックスの仲間がそれほどの実力とはフェラムも思わなかったのだろう。流石は伝説のイレギュラーハンター達と言うべきか…今回ばかりは相手が悪すぎたとしか言いようがない。フェラムは責められんよ」

「まあ、彼女のプライドは今頃ズタズタでしょうからね」

自分の力を過信していた分、返り討ちに遭い、敵前逃亡をしたという事実は彼女の傲慢なまでに高いプライドをさぞズタズタにしたことだろう。

日頃からフェラムに対していい感情を抱いていないボロックはもし目の前にフェラムを追い詰めたルインやアクセルがいたら感謝の言葉か拍手を送っていたかもしれない。

「ボロック、私は総統の元に戻るが…フェラムと“アレ”のことは任せたぞ」

「分かっておりますとも。“アレ”の鍵はちゃんと持っています。後は時間まで逃げ延びればいいだけです」

「うむ…全ては理想のためにだ…ボロック」

転送システムに向かうスカーフェイスの後ろを見遣りながら、ボロックは内心で歓喜していた。

「(やった!やったぞ!鬱陶しいスカーフェイスはこの場を去り、フェラムはアクセルとルインとの戦いで戦闘不能!“アレ”の中にある超フォースメタルは私の物だ!!)」

ボロックはスカーフェイスの反応がメルダ鉱石プラントから消えたのを見計らい、メンテナンスルームに入る。

「くっ…畜生…あいつらめ…」

メンテナンスベッドに横たわるフェラム。

ルインとアクセルとの戦いで受けたダメージがまだ完全に癒えていないのだ。

「どうもフェラム。随分と手酷くやられたようですね?」

内心でフェラムを嘲笑いながら尋ねるボロック。

「ボロック!ちぇっ、言っとくけどね。あの時は油断したけど今度はあいつには負けない…」

「リベンジしたい気持ちは分からなくはありませんがねフェラム。たった今から総統より緊急連絡でね。エックス達が我々の計画を嗅ぎ付け、このメルダ鉱石プラントにやってきているのですよ。それで、“アレ”の中にある超フォースメタルを回収して撤退することになったのだよ」

「撤退!?」

「イプシロン様は超フォースメタルが奴らの手に渡るのだけは避けたいと、噂通りならルインには探索能力に長けたアーマーがあるらしいので、見つかるのも時間の問題…だからフェラム…お前の鍵を渡してもらおう」

「待ってよ、鍵は私達のボディに埋め込まれていて、簡単には取り出せないようになっているでしょう!?スカーフェイスに確認を…」

満足に動かせない体でスカーフェイスに通信を繋ごうとするフェラムだが、それよりも早くボロックの腕が動いた。

「確認などいらん!鍵をよこせフェラム!!」

ボロックの腕が鍵を埋め込まれているフェラムのボディを穿つ。

「がっ!?う…ああああ…っ!!」

「さあ、鍵を貰うぞ!!」

フェラムのボディから鍵を奪うと、気絶したフェラムを放置して、ボロックは超フォースメタルのある場所に向かうのだった。

そしえボロックがフェラムのボディから鍵を抜き出し、超フォースメタルのある場所に向かおうとした時、エックス達はある場所の小窓付近にいた。

「随分と厳重に守られているな、ルイン。分かるか?」

「うーん、何かなこれ?ミサイル…?ロケット?」

PXアーマーの能力を以てしても良く分からない物体にルインは顔を顰める。

「おい、性能ダウンしてるんじゃないのか?」

「むーっ!!仕方ないでしょ!?何か特殊な磁場が出ていて機能が十全に使えないの!!」

「特殊な磁場…か…強力なフォースメタルによるエネルギーの影響かもしれないな。なら、レーダーで見た内容を画像としてガウディル達に送ってみよう。何か分かるかもしれない」

ゼロの言葉に反論するルインに、エックスがルインがレーダーで見た内容を画像として送ることを提案する。

「博士、これからルインさんが見た物を送りますね」

シナモンがガウディルに通信を入れると、ガウディルからの返答はすぐだった。

『ふむ、解析してみるから少し待って欲しいグワ。ルナも手伝って欲しいグワ』

『へーい』

画像解析が終わるまでエックス達は少しの間だけ待つことになり、しばらくして通信が入った。

「どうだ?2人共?」

『グワ!?こ、これは!!』

『おいおい、マジかよ…』

「え?どうしたの2人共、そんなに慌てて?」

『慌てるに決まってるだろ、そこにある物を知ったらな…みんな、そこにあるのは弾頭に超フォースメタルを仕込んだミサイルだ』

「ミサイルだと!?」

「ねえ、ミサイルが爆発したらどうなるの?」

超フォースメタルを搭載したミサイルに驚愕するゼロ。

即座にルインがもしこのミサイルが爆発したらどうなるかを尋ねる。

『超フォースメタルのエネルギーが爆発の瞬間に一気に解放されて、少なくても北半球一帯のレプリロイドに影響が出るだろうな。フォースメタルのジャミングの影響でイレギュラーの大量発生だぜ』

「イレギュラーの大量発生!?」

ルナの言葉に驚愕するアクセル。

『みんな、何とか超フォースメタルをミサイルの弾頭から取り外してくれ!ルインのレーダーなら最短ルートで辿り着けるはずだ!!』

「任せて!!」

ルインがレーダーの出力を最大まで引き上げ、ここからミサイル弾頭調整室までの最短ルートを導き出し、エックス達が通路を駆け抜けようとした瞬間である。

「…あれ?」

「どうしたんだルイン?」

急に立ち止まったルインにエックスが不思議そうに見つめる。

「今、レーダーが微弱なエネルギーを感知したんだ。近くにある…」

「そんな物放っておけ。今はミサイル発射の阻止を優先すべきだ」

今は一刻を争う時なので、そんなことに気を回しておく余裕はないとゼロが一蹴する。

「で、でも…もしかしたら怪我をされてるかも…」

シナモンからすれば怪我人かもしれないので、無視して向かうのは気が引けるらしい。

「でも、そっちに向かっている間にも、ミサイルが発射されるかもしれないし…仕方ない、シナモン。僕も行くよ、エックス達はミサイルをお願い」

「ああ、待ちな。私も行くよ」

「マリノさんも行くのなら俺も行こう。バランスを考えればこれが一番良い組み合わせのはずだ」

「分かった。そっちも気をつけてくれ!!」

ミサイル弾頭調整室に向かって走り出すエックス達。

そして微弱なエネルギー反応に向かって走り出すアクセル達が辿り着いた場所は意外な場所だった。

「ここは…メンテナンスルーム?」

扉を開くと、メンテナンスベッド等の医療設備があることからメンテナンスルームだと判断したアクセル。

「ここか?微弱なエネルギー反応があったのは……」

「あ、あれは!?」

「フェラム!?」

メンテナンスベッドの横に倒れているフェラムだが、ボディに風穴が開いてそこから火花が出ている。

「おかしいな。僕達から受けたダメージにしてはダメージが大きすぎる」

「大変です、手当てしないと!」

「え?ちょ、本気?こいつ敵なんだけど…」

「怪我人に敵も味方もありません!」

「う、わ、分かったよ。」

シナモンの迫力に圧倒されたアクセルはフェラムの治療を認め、シナモンのエンジェリックエイドによってフェラムの傷が癒されていく。

「う…っ」

「目は覚めた?」

「っ!?あんたは…痛っ…」

身構えようとして激痛に顔を歪めるフェラムを見て、シナモンが慌てて止める。

「動かないで下さい。まだ完全に傷が塞がった訳じゃないんですから」

「あ、あんた…どうして私を…私はあんた達の敵……」

「怪我人に敵も味方もないんだってさ。生憎私達はシナモンに弱くてね」

「シナモンは自分で言い出したことは決して曲げないからな。あんたも大人しくした方がいいぞ」

マリノとマッシモは警戒しながらフェラムに言う。

「それにそんな怪我じゃ、満足に体を動かせるようになるまで時間がかかるでしょ。それにしてもあんた、何があったのさ?そんな大怪我して」

「っ…そうだ…ボロック…あいつ、超フォースメタルを…」

「ボロック?あの丸い奴かい?」

「そうだ…あいつは…超フォースメタルを奪うつもりなんだ…私達の理想のために必要な…」

「…理想?世界中のレプリロイドをイレギュラー化させるためがか?」

「イレギュラー化…?違う…私達は…リベリオンは…そんなこと望んでなんかいない…超フォースメタルは元々、通常のフォースメタルのように…レプリロイドの性能を高めるために生み出されたんだ…超フォースメタルのエネルギーでレプリロイドの性能を高めて…高性能なレプリロイドが増えれば…この世界は…」

「…そのためにイレギュラー化する危険性が高い手段を使うなんて僕には正しいこととは思えないな」

フェラム達リベリオンの理想を聞いてそれが正しいとは思えないアクセルは否定する。

「ぐっ…」

「あ…」

「大丈夫、気絶しただけだ。」

気絶したフェラムをメンテナンスベッドに横たわらせ、シナモンが治療を続ける。

「ボロック…あいつがフェラムを襲って、ミサイルの弾頭の鍵を奪った…一体何がどうなってんの?」

アクセルの呟きはメンテナンスルームの喧騒に消えた。

一方エックス達もルインがレーダーで導き出した最短ルートを駆け抜け、広い部屋に出るとバナリア大砂漠の施設で戦ったボロックの姿を見つけた。

「おい!!」

「ぎょ!?ぎょぎょっ!?(なっ!?は、速い!どうやら奴らの機動力を見くびりすぎていたか…)」

「あなたは…ボロック!!」

「こ、これはイレギュラーハンターの皆さん。お早いお着きでしたな。きょ~っほっほっほ!!」

「あなた達リベリオンが超フォースメタルで何をしようとしてるのか…全て分かったよ!!」

「だが、貴様らの下らん計画はここで終わりだ。」

「超フォースメタルは…ミサイルは絶対に発射させない!!」

「あなた達の企みは、私達イレギュラーハンターが必ず潰します。」

エックス達がそれぞれの武器を構えながらボロックを睨む。

「きょ?素晴らしい!ミサイルの弾頭についてもご存知なんですか?弾頭の鍵は私が持っているのですぞ。私の持っている2つの鍵を合わせないと、弾頭は開かないのですぞ?きょ~っほっほっほ!!」

「そうか、なら簡単だ」

「あなたを倒して鍵を頂いて、そして超フォースメタルを回収して終わり」

「覚悟しろ!!」

ミサイルの弾頭の鍵を手に入れるためにエックス達がボロックに武器を向け、いつでも動けるように身構える。

「果たして…出来ますかな~?出でよQビット!!」

ボロックはあの時と同じように再び天使を思わせるビットを召喚し、Qビットが変化する。

「え?」

「「「きょ~っほっほっほ!!」」」

何とQビットがボロックの姿となり、声や姿形だけでなくデータ反応も全てボロックと同じだ。

「コピー能力みたいな物?」

「まあ、そのような物です。私もまだやられるわけにはいかないので、彼らと遊んでいて下さい。さらばさらば!!」

脱兎の如く逃げ出すボロック。

偽ボロック達がエックス達の道を塞ぐように立ちはだかる。

「あ、逃げたよ!」

「こいつらを片付けてボロックを追うぞ!!」

「ああ、行くぞ!!」

エックスはターボバスターを構えてパワーチャージとジェネレータを併用しながら攻撃して2人を援護し、ゼロとルインはソウルセイバーとZXセイバーの切れ味に物を言わせて偽ボロックを叩き潰した。

「ふざけやがって…!急ぐぞ!!」

「ああ!何としてもボロックを捕まえるんだ!!」

「ミサイルの発射は何としても止めないと!!」

3人はバーニアを噴かして部屋を出て、逃走したボロックを追い掛けた。

一方、フェラムの治療を終えたアクセル達は気絶しているフェラムをそのままに、エックス達と合流すべく駆け出した。

エックス達とは違って最短ルートは分からないために通常のルートを走り、広い場所に出た瞬間。

「きょ~っほっほっほ!!来た来た!!」

【侵入者だ~~っ!!】

「な、何これ…?」

「ボ、ボロックが30体も…!?」

「きっとボロックは兄弟がたくさんいるんですね!30つ子なんですよ!!」

「いや、兄弟って言うか明らかに偽物だろ」

シナモンの天然発言にマリノの冷静なツッコミが炸裂した。

「ボロック様の時間稼ぎのために戦え~」

【戦え~】

大量の偽ボロックがアクセル達に迫る。

「うわっ!?来た!!」

「気持ち悪…変身、シルバー・ホーンド!タイダルウェーブ!!」

「ベルセルクチャージ!発射!!」

マッシモとホーンドに変身したアクセルの同時攻撃にかなりの数の偽ボロックが吹き飛ぶ。

「ボールみたいに飛んでいきます…」

「まあ、見た目がボールみたいな奴だからね…とにかく行くよシナモン!!」

ビームチャクラムを構えるマリノとにゃんこグローブを装備したシナモンも偽ボロックに向かうのだった。

アクセル達が偽ボロック達の相手をしている時、エックス達は本物のボロックにようやく追いついた。

「きょ~っほっほっほ!!」

再び複数のQビットを召喚して偽ボロックを造り出し、本物のボロックは奥に逃走した。

「ああっ!?待てっ!!」

「ボロック様の邪魔はさせないぞ~」

「きゃあ!?お、重い…!!」

偽ボロックがボロックを追い掛けようとしたルインにのし掛かり、ルインが苦しげに呻く。

見た目に見合う重量だった。

「零式突破!!」

「ぼぎょおっ!?」

ゼロが繰り出した強烈な突きによって偽ボロックが吹き飛ばされた。

「あ、ありがとうゼロ!!」

「礼は良い、それよりも構えろ!!」

「くそっ!1体1体の耐久力が高い…!間に合うか!?」

何とか1体ずつ撃破していくエックス達だが、焦りが募るばかりであった。

そしてエックス達が偽ボロック達の足止めを喰らっている最中、ボロックはミサイルの弾頭を開いていた。

「きょ~っほっほっほ!!やった!遂にやったぞ!きょ~っほっほっほ!!」

弾頭に収められていた超フォースメタルは通常のフォースメタルくらいのサイズだ。

しかし、指で摘まめるくらいの大きさで通常のフォースメタルの1万倍のエネルギーを秘めていたことから、この超フォースメタルがどれ程凄まじいエネルギーを秘めているか分かると言うものだ。

「これだけの超フォースがあれがエックス達はおろか、イプシロン以上の力を得ることが出来る。イプシロンめ、何がリベリオンだ!何が全レプリロイドの理想だ!そんな絵空事が何になる!?裏切っても、奪っても、最後に力を手にした者が勝つのだ!!きょ~っほっほっほ!!」

ボロックがイプシロンに対しての嘲笑を終え、超フォースメタルを手にしようとした瞬間だった。

「その通りだ。良いこと言うなあんた」

「きょ!?お、おお前は…!!」

目の前にいるレプリロイドの姿を見て、ボロックは腰を抜かしてしまう。

「超フォースメタルはあんた…貴様には過ぎた力だ」

次の瞬間、ボロックの首が胴から離れていた。

レプリロイドはボロックの死骸を蹴飛ばした後に超フォースメタルを回収して姿を消した。

そして偽ボロック達を蹴散らしてアクセル達と合流して弾頭の元に辿り着いたエックス達だったが、そこで予想外の物を発見する。

「死んでる…」

ボロックの死骸を見遣りながらゼロが呟く。

「超フォースメタルも、持って行かれた後みたいだよ」

弾頭を覗いてきたアクセルが肩を落としながら言う。

「一体、何が起こっているんだ?」

エックスがボロックの死骸や、超フォースメタルが収められていたミサイルの弾頭を見つめながら呟いたのだった。  
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