恩を忘れない栗鼠

　　　　　　　　　　　　　　　恩を忘れない栗鼠
アメリカサウスカロライナ州グリーンビルに暮らすハリソン一家は家の近所で一匹の栗鼠の赤子を見付けた。
「酷い怪我だな」
「そうね」　
　妻のソニア、ブロンドの髪で優しい顔の彼女はアジア系に似た感じの顔で髭を生やした夫のブランドリーに応えた。横には母の髪の毛と父の顔を受け継いだ息子のトーマスもいる。
「梟に襲われたのかしら」
「生まれて一ヶ月位か」
「このままじゃこの子は危ないな」
「そうね、それじゃあ」
「助けるか」
「そうしましょう」
「もううちには三匹いるけどね」
　栗鼠がとだ、息子も言ってきた。
「この子もだね」
「ああ、そうしような」
「そうだよね、命は大事にしないとね」
　息子は父の言葉に頷いた、そうしてだった。
　一家はその栗鼠を助けて家に連れて帰った、そしてベラと名付けて他の三匹、リラとベスそしてサラ共に雌の彼女達と共に治療し怪我が治るまで世話をした。
　四匹共怪我をしていたが順調に回復してだった。
「チイ」
「チチッ」
「チィッ」
「キキッ」
　それぞれ満足に動ける様になるとハリソン家を後にした、家族達は四匹をそれぞれ見送ってからよかったと思った。
　だが暫くしてだった。
　家の窓に一匹のと大人の栗鼠、ダークブラウンの毛のその栗鼠を見て一家も愛犬であるロン白と黒のマスチフの彼が一家に鳴いた。
「ワンッ」
「どうしたんだ？」
「何かあったの？」
「ワンワン」
　夫と妻に鳴いてだった、窓のところにいる栗鼠に顔を向けた。二人はその動きを見て窓のところにいる栗鼠を見ると。
「チチッ」
「この娘まさか」
「その毛と目の色と尻尾は」
「ベラか？」
「戻ってきたの」
「チイッ」
　ベラは窓の外にいた、そして一家に挨拶する様に鳴いた。それを見てだった。