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星河の覇皇

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第七十七部第三章 果てしない波状攻撃その二十六

「わかったな」
「だからこそですね」
「出番がないことに嫌になってもな」
「今は潜むことですね」
「命令を待ってな、そしてだ」 
 艦長である中佐はここでこんなことも言った。
「我々の艦はな」
「はい、潜むことがですね」
「やることだ」
 それだというのだ。
「他の艦艇に比べてな」
「まさに文字通りにですね」
「それこそがだ」
 潜む、それ自体がというのだ。
「仕事だl
「そうですね、我々もそのことを考慮されて」
「適性検査を受けてだ」
 そのうえでというのだ。
「乗員に選ばれている」
「そうでしたね」
「だからだ、今はだ」
「我慢していることですね」
「待機中だ」
 艦長は今の自分達の状況の話もした。
「戦闘中ではない」
「それならですね」
「待っている間は休憩時間はな」
 その時はとだ、艦長は中尉にこうしたことも話した。
「トレーニングルームで汗を流すなりゲームをするなり風呂に入るなりな」
「そうしたことをしてですね」
「逸る気持ちを抑えることだ」
 闘いに向かいたいというその感情をというのだ。
「是非な」
「そうですね、今は」
「士官室には副長がいるが」 
 艦の中で第二の地位にいて責任も大きい役職だ、その者が士官室にいるというのだ。
「映画を観ている」
「そうしてですか」
「時間を潰している」
「では私も」
「映画は好きか」
「はい、映画によりますが」
 そのジャンルによるというのだ。
「好きです」
「ならその映画を観てな」
 そのうえでとだ、艦長は若い中尉に話した。
「逸る気持ちを抑える、英気を養う、時間を潰す」
「どれでもですね」
「することだ」
「休憩時間には」
「何度も言うが今の我々は待機中でだ」
 その状態にあってというのだ。
「戦闘中ではない」
「それならばですね」
「英気を養うことも出来てだ」
「英気を養うこともですね」
「義務だ」
 それになるというのだ、いざという時に全力を尽くして戦うことが出来る様にである。こうしたことを行うのも戦争なのだ。
「だからだ、君もだ」
「気持ちが逸っているならですね」
「抑えることだ」
 是非にと言うのだった。
「いいな」
「わかりました、それでは」
「映画を観るか」
「若しくはトレーニングルームに入ります」
「そこで汗を流すか」
「そうもしてきます」
「それが一番いいかもな」
 トレーニングルームで汗を流すと聞いてだ、艦長は頷く顔になって述べた。
「気持ちが戦闘に逸るならな」
「それならばですね」
「汗を流すことだ」
 つまり身体を動かすことだというのだ。 
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