| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

『狭間の世界』

作者:零那
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

『×』



此の手がいつでも捻り潰せる。
まずは爪を全部剥ぎ取ろうか。

そんなことで悲鳴あげないで。
まだ始まりの儀式ですらない。

大丈夫。殺しはしない。
開腹まではしないから。
内臓までは取らないよ。

だって痛まないなら意味なんて無いから。
生きて痛いって泣いて喚いて苦しんでね。

敢えて命は取ってやらない。
そんなのが目的じゃないの。
死ぬより苦しい事愉しもう。

殺してくれって言いたくなる位の身体的痛みを味わって。

それから屈辱やらなんやらの精神的な傷みも存分に味わい尽くして。

でも、其れでも、まだまだ赦さないから。

己の罪の重さに死ぬ迄ずっとずっと苦しみ続ければいい。


 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

感想を書く

この話の感想を書きましょう!




 
 
全て感想を見る:感想一覧