星河の覇皇
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第七十七部第三章 果てしない波状攻撃その二十三
「さもないとな」
「本当にか」
「身体壊すからな」
「だからよく寝ることか」
「寝られる時はな」
まさにというのだ。
「そうしろよ」
「ああ、そしてな」
「遊ぶこともか」
「しろよ」
「そうだな、本当に人間寝ないとな」
伍長もこう言った。
「身体によくないからな」
「伍長もそう言われますか」
「ああ、レオナルド=ダ=ヴィンチは一日一時間しか寝なかったそうだがな」
十五分ずつ一日四回に分けて座ったまま眠る、それだけでよかったという。
「こんなの特別だからな」
「普通はですね」
「ああ、逆にアインシュタインは十二時間だった」
一日の半分は寝ていたという。
「もう体質だろ」
「その人それぞれの」
「寝なくていい奴もいればな」
「寝ないといけない奴もいるんですね」
「俺達は普通の体質だろ」
「ならですか」
「寝ることだ」
まさにというのだ。
「そうすることだ」
「寝るって本当に大事ってことですね」
「ああ、さもないとな」
寝ないと、といのだ。
「死ぬしな」
「そうならなくてもですね」
「身体にな」
これ自体にというのだ。
「ガタがくるしな」
「そういえば三日連続徹夜で若い時描いていた漫画家は」
二十世紀の日本の漫画家ではいた、手塚治虫や藤子不二雄や石ノ森章太郎といった巨匠たちはそうして描いていた。
「皆六十かそこらで」
「死んでるっていうな」
「無理が祟るんだよ」
その徹夜がというのだ。
「そうなるんだよ」
「そうですか」
「俺もその話知ってるけれどな」
日本の漫画家達の話はというのだ。
「そりゃな」
「三日連続徹夜とかですか」
「無茶してたらな」
「若いっていってもですね」
「そんなの普通じゃないからな」
当然その間も描き続けている。
「そんなことしたらな」
「後できますね」
「若いうちは意識しなくてもな」
「三日徹夜して寝たらですね」
「大丈夫だって思ってもな」
自分でそう確信してもというのだ。
「それでもな」
「身体にはですね」
「確実に溜まってるんだよ」
疲労、それがだ。
「そして徹夜を何度も何度もしてるとな」
「その疲れが身体に溜まって」
「若死にするんだよ」
「だから戦争にも行ってないのにですね」
「あの時の日本の漫画家さん達はな」
「早死にしていったんですね」
「そうだよ、六十なんてな」
「サハラでもですよね」
「早死にだよ」
サハラの平均寿命も八十を超えている、戦乱で人口は順調に増えていないが医学はそこまでの寿命を維持出来るレベルに達しているのだ。
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