| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十七部第三章 果てしない波状攻撃その二十一

「仕事が終わったからって言って飲んでな」
「それで死んだんだな」
「過労で疲れてすぐに飲むとな」
「心臓に悪くてか」
「本当に死ぬからな」
 冗談抜きでという言葉だった、同僚の兵士のそれは。
「だからな」
「止めた方がいいか」
「終わったらな」
 会戦の中での今の自分達の仕事、それがだ。
「もうな」
「まずは寝ることか」
「それからにしろよ」
「飲むのはか」
「盛大に食うのもな」
 こちらのこともというのだ。
「本当にだよ」
「寝てからか」
「そうだよ」
 まさにというのだ。
「だからいいな」
「飲むならか」
「まずは寝ろ」
 そうしてからだというのだ。
「本当にな」
「身体の為にもか」
「嘘じゃないからな」
「徹夜明けの後飲んで死んだ人がいることはか」
「ああ、本当に死んだんだ」
「そう思うと怖いな」
「徹夜で仕事なんてな」
 それだけでというのだ。
「身体にえらい負担かけるだろ」
「ああ、確かにな」
「しかも俺達はな」
「何日もだからな」
「ほぼ不眠不休でな」
 科学的には充分疲れが取れる休息を取っていてもというのだ。
「やってるからな」
「やっぱりあれか」
「ああ、飲むにしてもな」
「まずは寝てからか」
「それからだよ」
 そのうえでというのだ。
「飲めよ」
「わかったぜ、俺この戦争が終わったらな」
「それ死ぬ奴が言う言葉だぞ」
 同僚の兵士は彼の今の言葉にどうかという顔で返した、創作の世界では死亡フラグと言われる言葉の一つだとだ。
「だからな」
「言わない方がいいか」
「ああ、戦争が終わったらって言う奴程な」
「死ぬか」
「戦死するものだろ」
 創作の世界ではというのだ。
「だからな」
「言わないことか」
「ああ、それで終わったら何だ」
 止めてもそこから先は聞いた。
「どうするんだ」
「いや、相手探してな」
 そうしてというのだ。
「結婚してな」
「家庭持とうってか」
「戦争が終わったら軍隊辞めるしな」
「民間に戻るか」
「ああ、工場に戻るぜ」
 そこにというのだ。
「自動車のな」
「御前前はそこで働いていたんだな」
「高校を卒業してからな」
 それからはというのだ。
「二年そこで働いてな」
「今はか」
「徴兵で選ばれたんだよ」
 サハラの名物ともなっているこれでというのだ、サハラでは体格と身体能力のある者を検査で選んで兵士にしているのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧