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星河の覇皇

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第七十七部第三章 果てしない波状攻撃その十七

「それに装甲もないからな」
「攻撃受けたら一発ですからね」
「一発で沈みますよね」
「魚雷だのミサイルだの受けたら」
「それで一発ですよね」
「ああ、図体はでかいがな」
 工作艦というものはというのだ、艦艇を一隻中に収めて修理するのでその大きさは必然的にかなりのものになるのだ。
「しかしな」
「それでもですよね」
「図体がでかいだけで」
「装甲とかないですから」
「もうそれこそ」
「攻撃を受けたら」
「一発ですよ」
 兵士達もこう話した。
「それこそ」
「そうなってしまいますね」
「じゃあ攻撃を受けないことですね」
「そうした戦局にならないことを」
「ああ、まあここまで攻撃がきたらな」
 工作艦達がいる戦線の後方にというのだ。
「もうな」
「戦局はまずいですよね」
「そんな状況になってますよね」
「それこそ」
「ここまで敵の攻撃がきたら」
「ああ、だからな」 
 それでというのだ。
「そうなったら負けだけれどな」
「ですよね、オムダーマン軍が」
「もうそうなってますよね」
「というかその前に逃げてるさ」
 撤退、それに移っているというのだ。
「もうな」
「ですよね、それこそ」
「工作艦とか輸送艦は真っ先に」
 こうした後方にいて戦闘の補助にあたる艦艇達にはというのだ。
「撤退してますね」
「工作艦は戦えないですから」
「だからですね」
「もう真っ先にですね」
「工作艦は逃げてますね」
「後方から下がれば」
「そうなっているさ、まあ死なないがな」
 それでもと言う伍長だった。
「一つ問題があるぜ」
「問題?」
「問題っていうと」
「それは何ですか?」
「俺達のことだよ」
 他ならぬ自分達工作艦にいる者達のことだというのだ、今の様に破損した艦艇の修理にあたっている彼等だ。
「こうして戦闘がある間も戦闘が終わっても少しの間な」
「ああ、働くってことですね」
「ずっと」
「飯も寝るのもそこそこで」
「そんな中で」
「過労死にはならないにしてもな」
 流石に倒れるとストップがかかる、過労死もまた戦死と変わらないからだ。
「それでもな」
「始終働き尽くしですね」
「前の会戦の時と同じで」
「そうなってしまいますね」
「そこは覚悟しないといけないですね」
「そうだよ、俺達整備兵はな」
 その立場で工作艦に乗っている自分達はというのだ。
「戦闘に巻き込まれなくてもな」
「こんな状況が続きますね」
「もう寝るのもそこそこで働く」
「飯もレーションを立ったままとかで」
「必死に働く」
「それこそ倒れる寸前まで」
「そうなる、本当にな」
 だからだというのだ。 
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