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『狭間の世界』

作者:零那
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『パラノイア』



君が言う其の話が現実ならどんなに良かったか。
そんな都合のいい事実なんて何処にも無い。
こんな残酷な真実しか目の前にはない。

君の出来過ぎた話には夢が在る。
君は世間で言う所謂そういう病気だ。
でも悪意の無い君の妄想は僕には希望が在った。

「もし君の身に何かあったら僕は飛べるからスグ行けるよ。
本当に翼が生えるから本当にスグに行けるよ」
そう真剣な目で言う君。

僕が思わず笑うと君は馬鹿にされたと思うから本気で怒る。
君のような子がどうしてこんな病気になるんだろう。
それとも病気だからこその君なのかな。

妄想が病気なんて怖いし話が通じない。
嘘ばっかり言ってて意味が解らない。
周りの子は君にそう言う。

君には君の世界があるんだろう。
僕も深く理解してるわけでもない。
でも君は君で、僕も僕だから。

貶めてやろうなんて悪意は無くて、君の世界の話が単純に好きだから。
だから難しいことはどうでもよくて、ただひたすら君の話を聞いてた。


 
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