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戦国異伝供書

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最終話 話が終わりその六

「くれぐれもです」
「健やかに育ち」
「そしてです」
「茶道や学問もですか」
「身に着けてそして確かな大名として」
 その立場でというのだ。
「天下万民を救い豊かにする」
「そうなって欲しいですな」
「二人共。それが今のそれがしの一番の願いです」
「そうですか」
「ですからそう願っておりまする」
「実はです」
 家康はここでこうしたことを話した。
「羽柴殿のご次男お拾殿とそれがしの孫がです」
「この度ですな」
「上様が言われて」
「婚姻をですな」
「結ぶとの話が決まることになりそうです」
「それはいいことですな」
「これでそれがしと羽柴殿は親戚同士」
 羽柴を見て微笑んで話した。
「有り難いことです」
「それがしこそ。徳川殿が拾の祖父となるのなら」
 それならというのだ。
「それがしも嬉しいです」
「ははは、それがしの娘達の婚も決めてもらいましたし」
 長政も言ってきた。
「まこと上様には感謝の念しかありませぬ」
「浅井殿もですな」
「何事についても」
「それは何よりですな」
「奥もそう言っています」
 市、信長の妹でもある彼女もというのだ。
「何かと」
「そのこともよいことですな」
「常にそう思っています」
「これから天下を長く泰平なものにする」
 明智は静かな声でその場にいる一同に述べた。
「上様の下で。それがです」
「我等これからの務めですな」
 また羽柴が応えた。
「左様ですな」
「まさに、ですから」
「我等はこれよりは」
「共に力を合わせ」
 そしてというのだ。
「そのうえで、です」
「天下を治めていきますな」
「そうしましょう、幕府の政の仕組みは出来上がってきていますし」
「そしてその政も」
「これを今以上に盤石なものとし」
 そしてというのだ。
「そのうえで、です」
「以後長く泰平の世にする」
「永遠にですな」
「はい、そこまでです」
 ただの泰平だけでなくというのだ。
「なる様にです」
「政に励むべきですな」
「そうしましょうぞ、何かとあるでしょうが」
 それでもというのだ。
「そうしましょうぞ」
「それでは」
「さて、これよりです」 
 再び家康が言ってきた。
「上様が来られたなら」
「それならですな」
「今宵は宴となります」
 それが行われるというのだ。
「そうなりますので」
「それで、ですな」
「はい、それもそろそろなので」
 それでというのだ。 
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