| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

星河の覇皇

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第七十七部第三章 果てしない波状攻撃その十二

「大きく変わる筈だ」
「緑と水が豊かになりますね」
「そうなりますね」
「開発、開拓も進み」
「砂と岩ばかりだとな」
 大佐は今度は苦い顔で言った、目の前では無数の火球が双方の戦闘の中で起きてその火球の中に多くの命が消えていっていた。
「見ていてもな」
「嫌になりますね」
「広大な砂漠がありますと」
「どうにも」
「それだけで」
 連合の者としてだ、彼等も話した。
「サハラにいますと」
「どうしても砂と岩ばかりで」
「砂漠が広がっている星ばかりで」
「緑も水の星が少ないです」
「非常に」
「全くだ、しかしそれもだ」
 統一され軍事技術が民間技術に移るサハラはというのだ。
「変わっていくかもな」
「そうですか」
「あのサハラが緑豊かな星が多くなりますか」
「そうした星々が」
「そうなるかもな、戦争が終わればな」
 その時はというのだ。
「それからは、しかしそれはな」
「これからですね」
「戦争が終わってからですね」
「それからのことですね」
「そうだ、しかし軽騎兵同士の衝突が続くな」
 大佐は今も起こっている両軍の戦いを見つつ再び言った。
「軽快な動きだがな」
「その守りの弱さが気になりますね」
「我々としては」
「直撃を終われば即座に撃沈という様な」」
「そうした有様が」
「駆逐艦や軽巡に至ってはだ」
 こうしたとりわけ速度が速い艦艇はというと。
「特にだな」
「はい、バリアーも装甲も薄いです」
「それこそ魚雷の一発で沈んでいます」
「轟沈している艦もあります」
「そうもなっています」
「連合軍では考えられないな」
 大佐は自身が観戦している中で実際に魚雷の直撃を受けて轟沈したティムール軍の駆逐艦を見て言った。乗員は全員絶望的だった。
「魚雷の一発で吹き飛ぶなぞな」
「はい、駆逐艦といえど」
「紙切れの様な防御は」
「到底考えられません」
 他の観戦武官達もその轟沈を見て言う。
「乗員の生命を保障出来ません」
「折角の乗員が」
「そして建造した艦艇も失ってしまいます」
「あまりにも脆くて」
「全くだ、私も駆逐艦の艦長をしたが」
 大佐は自身の過去の話をした。
「あの様な酷い装甲やバリアーではない」
「はい、全くです」
「駆逐艦といえどです」
「連合軍の艦艇の防御は堅固です」
 駆逐艦といえば軽装であり速度を活かして戦うものだが連合軍の駆逐艦は大型でかつ攻撃力だけでなく防御力も駆逐艦としては規格外のものだ。
「オムダーマン、ティムール軍で言うと並の巡洋艦位です」
「それ位はあります」
「あの様な貧弱と言って防御ではありません」
「攻撃もそうですが」
「巡洋艦で消し飛びはしない」
 絶対にというのだ。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧