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星河の覇皇

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第七十七部第三章 果てしない波状攻撃その十

「出来るだけ損害は抑えてだ」
「そうしてですね」
「その目的を達成すべきですね」
「そう考えますと」
「どうしても」
「今の戦争の流れはまずい」
 どうまずいかというと。
「サハラにとってな」
「今回も激しい激突となり、ですね」
「多くの犠牲を出て引き分けになれば」
「そこからですね」
「両国共決断しますね」
「総力戦への移行を」
 他の観戦武官達も口々に言った。
「戦争に勝利を収める為には」
「統一の為には」
「その選択肢も有り得ますね」
「必然的に」
「戦争は政治の問題解決の為の一手段でだ」
 大佐は政治における戦争のポジションを話した、このことは連合の軍人達の中では自然なマニュアルとして頭に入っている。
「それでだ」
「例え損害が多くとも」
「総力戦になろうとも」
「それでもですね」
「問題解決の為には」
「採らざるを得ないですね」
「そうなる、この場合の問題はだ」
 政治的なそれはというと。
「まさにだ」
「統一ですね」
「サハラの統一ですね」
「それを行うべきですね」
「是非共」
「だからだ」
 その目的、統一の為にというのだ。
「それを果たす」
「オムダーマンもティムールも」
「例えサハラ全土がどれだけ疲弊しようとも」
「統一を果たす」
「その目的を」
「だからだ」
 その為にというのだ。
「総力戦の可能性もある、だがこうして見ると両軍の艦艇はよく沈むな」
「はい、実によく」
「装甲やバリアーが連合の艦艇より遥かに弱いです」
「そしてダメージコントロールも劣っています」
「その為ですね」
「攻撃を受ければそれでだ」
 連合から見れば実に簡単にだ。
「破損し撃沈もな」
「多いですね」
「見ていると実に」
「確かに激しい攻撃ですが」
「それでもです」
「損害が多いです」
「速度は速いが」
 両軍の艦艇のそれはだ。
「しかしな」
「防御力はかなり低いです」
「ダメージコントロールも劣ります」
「それによく見れば攻撃力も」
「我々の比較ではありません」
「そうだな、我々を甲冑と盾で武装し傷薬まで備えているとすれば」
 連合軍の艦艇がだ。
「彼等は鎧も兜も着けていなくてな」
「当然傷薬も持っていない」
「装備も剣位ですね」
「我々は弓に槍に剣を持っていますが」
「それもかなり長い間合いの」
「そうした騎兵だ」
 サハラの艦艇はというのだ。 
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