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五人の娘を

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第五章

「お母さん、給食代は?」
「後で出すわ」
「お母さん、お風呂入っていい?」
「順番を待ちなさい」
「お母さん、ゲームしていい?」
「今はお父さんがテレビ観てるから駄目よ」
 毎日娘達に答え教えて叱ってと朝から晩まで休まる暇がなかった、旅行に行っても映画館に行っても常に娘達が第一で。
 七五三も終わって娘達が小学校高学年になり思春期を迎えると今度は反抗期だった、今度は何かと反発する娘達に手を焼いた。
 それでだ、夫は妻に言った。
「赤ん坊の時も大変だったけれどな」
「今もね」
「大変だな」
「五人全員が反抗期でね」
「もう親の言うことに全部反発するな」
「そうよね、そうなることは覚悟していても」
 それでもというのだ。
「いざなるとね」
「厄介だな」
「本当にね」
 妻は夫に疲れきった顔で答えた。
「そうね、けれどね」
「ああ、親だったらな」
「ちゃんと見ていってね」
「道を踏み外したりしない様にしないとな」
「そう、だからね」
「反抗期に負けていられないな」
「これから受験もあるから」
「そうだな、けれど五人共行ける高校あるよな」
「皆そんなに成績悪くないから」
 園子が学年トップで満里奈が上の下で後の三人は中の上や中の中だ、五人共それぞれ部活をしながら成績は悪くない。
「大丈夫よ」
「そうか、それで五人共高校は公立か」
「それしかないわ、五人高校に行くとなるとね」
「やっぱりお金ががないな」
「だからね、あと小百合高校に入ったらアルバイトするって言ってるから」
「そうなのか」
「うちにお金入れてくれるって言ってるから」
 だからだというのだ。
「その分ね」
「家計は助かるか」
「そうなるかも知れないわ」
 娘達が反抗期の中で話した、そしてだった。
 二人で何とか反抗期をやり過ごしてそれから全員高校に行った、すると時々帰りが遅い娘がいて母は心配になった。
「美奈代はまだなの?」
「だからアルバイト言ってるじゃない」
「お母さん心配し過ぎよ」
「ラインで連絡しても大丈夫だったでしょ」
「それでも家に帰ってお顔見ないと心配なのよ」
 母は家に帰っている娘達に答えた。
「どうしてもね」
「だから心配し過ぎよ」
「美奈代も夜遊びしてないし」
「ちゃんとアルバイトしているから」
「大丈夫よ」
「全く、アルバイトはいいけれど」
 今は五人全員がアルバイトをしている、五人共働いて金を稼ぐことは好きというのでそれは許しているのだ。
 だがそれでもとだ、母は言うのだった。
「あまり遅いことは困るわ」
「あれっ、美奈代はまだか?」
 父も家に帰ってきて彼女のことを言った。
「まだアルバイトか?」
「そうなの、困るわ」
「帰りが遅いことはな」
「そうよ、働いていても帰る時間はね」
 早い方がいいと言った、そして平然と帰ってきたその娘に遅いと小言を言うとずっと働いていたし家から近い場所だから大丈夫と笑って言われたが親はそれでも心配だった。
 二人は娘達が高校に入るとある程度は自由にする様に許したが帰りが遅かったり男の話をすると目を光らせた、そうしながら五人は高校を卒業していき。
 それぞれ大学や専門学校や就職と道を歩んでいった、大学に行った園子と満里奈は卒業してから就職し専門学校に行った小百合もそうなり。
 早苗と美奈代は高校を卒業してすぐに就職した、五人共就職すると独立してだった。 
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