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恵体シスター

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第三章

「お気になさらずに」
「そう言って頂けるのなら」
「はい、ですがシスターは」
「無意識のうちにですね」
「注目されています」
 そうなっているというのだ。
「非常に」
「それで、ですね」
「何かあることもです」
 それもというのだ。
「私は心配です」
「そうなのですね」
「どうなるか」 
 こう言うのだった。
「果たして」
「いえ、何かありましても」
「何かとは」
「もう少しシスターのことが伝われば」
 そうなればというのだ。
「並大抵の、それこそプロレスラーでもです」
「そうした人でもですか」
「それもアンドレ=ザ=ジャイアントさんやブルーザー=ブロディさんでも」
 この伝説のレスラー達でもというのだ。
「シスターのことを聞けばです」
「まさかと思いますが」
「そのまさかです」
 神父の返事は真剣なものだった。
「あの人については身の安全はです」
「心配されていませんか」
「ナイフや鉄パイプを持った相手に何人囲まれても」
「それでもですか」
「安心出来ます」
「それは何故」
「実は」
 神父は教授にアンジェラのことを話した、するとだった。
 教授もそれならと頷いた、そうして以後教授はアンジェラの安全については何も心配しなかった。アンジェラは相変わらず人気だったが。
 ふとだ、大学の中でこんな話が出た。
「シスター元プロレスラーだって?」
「イタリアの方で」
「それで学費を手に入れていて勉強していたのか」
「向こうの女子プロレスで無敵だったのか」
「欧州一だったのか」
 アンジェラの過去のことが噂になりだしていた。
「百戦百勝の無敗の帝王だったのか」
「そう言うと北の将軍様みたいだな」
「将軍様はネタだけれどな」
「あの人はガチか」
「ガチで百戦百勝か」
「イタリアのチャンピオンベルト総ナメにして」
「欧州でもか」
 何と無敵の女子プロレスラーだったというのだ。
「それって滅茶苦茶強いよな」
「下手に向かっても勝てないな」
「そういえばあの人毎日滅茶苦茶身体動かしてるな」
「うちの大学の運動部顔負けでな」
「講義していない間はいつも運動してるぜ」
 ここでこのことも指摘された。 
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