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恐ろしい戦車

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第二章

「しかしだ」
「陸上戦力も必要です」
「どうしても」
「それならばですね」
「戦車には戦車ですね」
「そうだ、そして重戦車にはだ」
 それにはというのだ。
「やはりだ」
「重戦車ですね」
「それをぶつけますね」
「そうしますね」
「その様にすうのだ」
 こう言ってだった。
 トルーマンは実際に戦車の開発を命じた、そうしてだった。
 一二〇ミリの自動装填装置を備えた重戦車の開発が決定した、だが。
「自動は無理だな」
「どうもな」
「流石にそれは無理だ」
「装填は手動になる」
「重量は五十六トンだ」
「かなりの重戦車になる」
「それになるな」
 開発の中でそれが決まってだった。
 さらに開発が進められた、そしてここでだった。
 朝鮮半島で戦争が起こった、トルーマンはそれを受けて言った。
「すぐに半島に戦力を投入する、そのうえでな」
「あの戦車をですね」
「若し戦場に出て来たなら」
「その時は」
「我々の戦車をぶつける、今はT-34しか出ていない様だが」
 それでもというのだ。
「JSが出たならな」
「はい、その時は」
「あの戦車を出しましょう」
「開発を続けましょう」 
 だが開発は他の戦車の仕様を採用したりして設計変更が繰り返され遅れてだった、結局その戦争には間に合わず。
 問題点も指摘され開発者達にこう告げられた。
「えっ、配備の中止ですか」
「そしてこれまで生産したものは予備兵器ですか」
「そちらになりますか」
「そうなのですか」
「そうだ、仕方ない」 
 開発者達に告げる国防省の高官も苦い顔だった。
「これはな」
「そうですか、ですが」
「それでも三百両近くあります」
「もうそれを予備役にするのは」
「どうかと思いますが」
 開発者達は項垂れつつも言った、そうしてだった。
 議論の末問題点を改修し戦車はM103として採用された、そのうえで西ドイツの方に配備されたり海兵隊に使われたりした。だが。
 結局実戦では使用されなかった、しかしアメリカ軍がソ連軍の重戦車から受けた衝撃は生きていて。
 開発者達はされに話した。
「敵の重戦車にどう対するかだ」
「ソ連はまたとんでもない戦車を開発して来るぞ」
「スターリン戦車がまた出て来るぞ」
「それにどう対するかだ」
「それが問題だ」
 こう話してだった、彼等は強力な戦車の開発を続け。
 ある戦車を開発した、その戦車はというと。
「一〇五ミリ砲を搭載してか」
「はい、バランスが取れていてです」
「出力も十分です」
「重量も適度であり」
「速度もあります」
 開発者達は国防省の高官に話した。
「M60ですが」
「この戦車は主力になります」
「ソ連軍の重戦車にも対抗出来ます」
「これなら大丈夫です」
「そうだな、いい戦車だ」
 国防省の高官もその戦車を見て述べた、確かにM103よりも小型であり大砲も小さいがそれでもだった。 
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