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星河の覇皇

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第七十七部第二章 第二次国境会戦その五十二

「そしてです」
「はい、よくない結果をもたらすこともですね」
「ありますね」
「民主主義では常です」
「連合でも何度もありました」
「あの御仁はとかくカリスマ性があります」
 人を惹き付けるそれがだ。
「それで選挙に出ますと」
「当選することもですね」
「有り得ますね」
「幾ら危険な人物でもです」
 野心家で謀略を駆使する様な人物でもというのだ。
「有能であることは事実なのですから」
「危険視されていても」
「それでも」
「はい、議員に立候補して」
 中央政府議員なり各国議員なりにだ。他には州政府等の各国の下の地方政府の議員も存在している。
「そうして当選することも」
「ありますね」
「そしてそこからですね」
「功績をあげ身を立てていく」
「その可能性もありますね」
「はい」
 その可能性は確かにあるというのだ。
「そしてです」
「そのうえで」
「中央政府や恰好政府の国家元首にもですね」
「なり得ますね」
「その可能性もありますね」
「政治家の道を選べば」
 その時はというのだ。
「あれだけの方は有り得ます、ただ新国家を樹立されれば」
「連合の中で」
「そうされると」
「新国家の建国とその創業の国政に腐心することになるので」
 国家はまず建国と創業の政治が非常に困難で時間がかかる、このことはこの時代においても変わらない。
「それに人生の殆どを費やされ」
「それで、ですね」
「他の道はなくなる」
「そうなりますね」
「新国家を樹立されたなら」
「そうなるかと、むしろ」
 それならばと言う八条だった。
「私としてはです」
「それがいいのですね」
「長官としては」
「あの御仁が新国家を樹立されるなら」
「それならば」
「はい」
 その通りという返事だった。
「実際そう考えています」
「左様ですか」
「その様にですか」
「考えています、あとはサハラ出身なので義勇軍に入り」
 連合のこの軍隊にというのだ。
「そこで身を立てられることも出来るでしょう」
「若しあの御仁が義勇軍に入れば」
「その時は」
 二人の元帥はワインを飲みつつ八条のその言葉に応えた、二人共ワインは今グラスの中にあるそれだけになっている。
「義勇軍は素晴らしい人材を得ますね」
「無二の名将を」
「はい、義勇軍艦隊の司令長官でもよし」
 八条もこう言った。
「そうでなくてもです」
「義勇軍の要職に就いてもらえますね
「その場合も」
「そしてですね」
「思う存分手腕を振るってもらえますね」
「政治の場であの謀略を使われると困りますが」
 それでもというのだ。 
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