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麗しのヴァンパイア

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第三百三十一話

                第三百三十一話  塔の前で
 今田先生と今日子先生は時間通りニポートピアタワーの前に来た、するとそこにカーミラがやって来た。
 カーミラはその場に来ると二人に問うた。
「遅かったかしら」
「いえ、時間通りよ」
 今田先生が微笑んで答えた。
「そして私達もね」
「今来たところなのね」
「丁度よかったわ」
「ただ、時間通りと言っても」
 今日子先生も言ってきた。
「私達はどちらもね」
「そうね、五分前ね」
 カーミラは懐中時計を出して時間を確認した。
「正確には」
「そうね、ではね」
「五分経ってからはじめようかしら」
「貴女さえよければ」
 今日子先生はカーミラに返した。
「今からはじめてもいいわよ」
「そうなのね」
「ええ、そこはね」
「私次第なのね」
「私は何時でもいいわ」
「私もよ」
 今田先生は微笑んだままだった。
「貴女がいいというのならね」
「今すぐにでもなのね」
「はじめてもいいわ」
「そう、ではね」 
 カーミラは先生達の言葉に頷いてだった、こう答えた。
「はじめましょう」
「ええ、今からね」
「そうしましょう」 
 先生達も応えてだった。
 それぞれ西洋の騎士がする様に剣ではなく杖を顔の前に出して掲げてだった、それを挨拶としてであった。
 戦いをはじめた、まずは今田先生が無数の氷の矢を出した。
 矢はカーミラに当たったかに見えた、しかし。
「消えたわね」
「上ね」
 今日子先生はすぐにこう言ってだった。
 真上に顔を向けることなく雷を投げた、すると。
 空中にたカーミラはそれをかわした、そうして言った。
「いや、今のはね」
「危なかったかしら」
「氷の矢もね」
 今田先生が放ったそれもというのだ。
「私でないとね」
「かわせなかったのね」
「ええ、では今度は私からよ」 
 こう言ってだった、カーミラは上空で両手を大きく掲げた。


第三百三十一話   完


              2021・1・8 
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