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星河の覇皇

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第七十七部第二章 第二次国境会戦その三十九

「そうなっていましたね」
「あの時王が趙括を用いていないと」
「こうしたことも有り得ます」
 主権者が軍事的に暗愚であるならというのだ。
「ですから」
「市民の方々にもですね」
「今以上に軍事知識を備えて欲しいですね」
「長平の様なことを避ける為に」
「どうしても」
「そうも思います」
 こう言うのだった、八条も。三人共生ハムはそれ程多くなるすぐに食べ終えて次はパエリアが出て来た。魚介類のパエリアだ。
 そのパエリアを食べつつだ、八条はまた話した。
「戦術戦略を考えるには」
「それにはですね」
「自分達の国家のことも考えないとならないですね」
「どうしても」
「それは」
「はい、自身の軍隊の状況も理解し」
 ただ兵をどう動かすのかを考えるのだけでなくというのだ。
「自分達の国家の状況もです」
「考えてですね」
「そして頭に入れて理解し」
「そうして戦術戦略を考えないとですね」
「勝てませんね」
「はい、己を知るということは」
 孫子にもあるこの言葉はというのだ。
「国家、主権者のこともです」
「知ることですね」
「そのことも大事ですね」
「そうなります、連合を考えますと」
 パエリアの御飯、香辛料で見事に味付けされたそれの味も楽しみつつそうして話した八条だった。魚介類の味も出て実にいい味だ。
「つぐづくです」
「長期戦はですね」
「出来ない国ですね」
「今のオムダーマンやティムールの様な戦い方は」
 とてもというのだ。
「出来ません」
「幾ら国力があろうとも」
 マクレーンは己のスプーンに御飯と海老を入れた、そうして口の中にその二つを運び入れてから述べた。
「市民感情がですね」
「それを許しません」
「長期戦を嫌うので」
「長期戦はしないに限ります」
 このこともだ、八条は述べた。
「それだけ国力を使いますので」
「このことはその通りですね」
「はい、しかし」
「時よ場合によっては」
「今のオムダーマンとティムールの様にですね」
「そして趙もでした」
 八条は再びこの国の名前を出した。
「長期戦を採るべきでした」
「そうでしたね」
「廉頗の考え通りに」
「そうした場合もあります」
 勝利の為には長期戦も採らざるを得ない時がというのだ。
「常に短期決戦とはいきません」
「その都度ですね」
 劉は貝を食べた、パエリアの中にあるそれを。口にすると香辛料だけでなくオリーブオイルの味もした。
「変わるのが戦いですね」
「ですから」
「それ故に」
「はい、しかし連合はそれが出来ないので」
「そこが何とかなって欲しいですね」
「そう考えています」
 八条はというのだ。
「まことに。しかし」
「しかしですか」
「先程申し上げた通りです」
 このこと、市民達が軍事をよく知る様になっていくことはというのだ。 
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