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IS ショタが往くIS学園生活

作者:屍モドキ
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少年と関わる者

 簪によって医務室に担ぎ込まれた結は、意識不明のまま身体検査とメディカルチェック。MRIによる内臓検査が済んだのち酸素吸入器具と点滴、心電図モニタが横に添えられ、厳重に経過観察に持ちこまれた。

 そして深い呼吸を繰り返す少年の手には、一つの手錠が嵌められる。

 まだ幼さの残る結の手に嵌まる手錠を見て、簪は驚きながら何が起こっているのか近くにいた教員に訊ねる。

 聞けばこの少年は先日のクラス対抗戦の時の被害者で、全身に重傷を負ったにも関わらず、彼の専用機が彼を拘束。十日間ISの中に閉じ込められていたが、解放された所に出会わした自分が運んできてくれたおかげでやっとまともな治療が出来たらしい。

「けど、手錠までする必要ないと思うのですが」
「もしもの時の保険だよ。まぁ、これでも生温いかもしれないけど」

 そう答える教員の目には一抹の不安の色が映る。
 それを瞬き一つで掻き消した教員は踵を返して退室し、部屋には簪と眠る少年が残された。

「変な子……」

 少年の治療は思っていたよりも早く終わり、簪は眠っている少年の顔を椅子に座って眺める。

 こうしてみればただの子供。少し痩せ気味で細い体付きをしているだけの少年A。
 だけど背中のあの機械はなんだろう。

 結の背中に見える無機質な物体。
 普段はパーカーのフードで隠している、うなじの機械部品。しかしそんなことを知らない簪は本人が起きたらその時に聞こうと軽い気持ちで捉えていた。

 そのあと十数分待ってみても少年が目覚める様子が無かったので、簪は諦めて立ち上がる。



 病室を出るとき、二人の教員とすれ違ったので簪は会釈を垂れて通り過ぎる。一人は黒髪でスーツのよく似合う名の知れた世界最強。
 もう片方は端から見ても疲れが溜まっているのだと分かるほど疲れの色が抜け落ちていない緑髪の小柄な女性教員。たしか、一組の副担任だったか。

 自分には関係ない。

 この子供とも、もう関わらないだろう。
 
 簪は留まることなく歩き続ける。


 ◇


 数日ぶりに結の顔をみた二人。安堵するのも束の間、手錠をみて目から光を失って気を引き締める。 

「本当に、ここまでしないといけないんですか……?」
「これでも善処したほうだ。命があるだけマシだと言う輩だっている。我慢してくれ」
「っ……はい」

 一介の教職員でしかない真耶には今の結に対しての発言権は無いに等しい。だからこそ、今の結の有り様がもどかしく、なんとかしてやりたくても何も出来ない自分が心底恨めしかった。


 ◆ 


 一人の天災が、モニタに映る映像記録をみて歯噛みしていた。

「これが、あいつらが求めていたISかよ」

 画面には飛び散る機械油と飛散する金属片にまみれながら、カメラを向ける対象に向かって馬乗りになり、拳を何度と振り落とすガーディアンの姿が写っていた。

「認めない。絶対」

 静かな怒りはデスクにヒビを入れ、キーボードを破壊した。
 
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