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星河の覇皇

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第七十七部第二章 第二次国境会戦その三十五

「そうなりますので」
「だからですね」
「決してです」
 まさにと言うのだった。
「あの様な戦術は採れません」
「犠牲が多く出るそれは」
 まさにというのだ。
「不可能です」
「左様ですね」
「ですから切り札があれば」
「もう即座にですね」
「相手にいきなり見破られるリスクがあれど」
「政府の方で、ですね」
「使用を言います」
 例え軍人達が反対しても決定権は自分達にあると言ってだ、一歩間違えると文民統制の悪い面が出てである。
「そうなります」
「切り札にしても」
「はい」
 それでというのだ。
「損害が出る前よりも」
「まさにですね」
「最初に使い」
「そのまま一気に勝つ必要がありますね」
「エウロパ戦役でもそうでした」
 八条はさらに言った、ここでサラダが食べ終えられた。今度はアヒージョが来たが牡蠣と海老、茸のものだ。
 そのアヒージョも食べつつだ。八条はまた言った。
「我々は切り札はです」
「まさに即座にですね」
「こちらが犠牲を出す前に」
「使わないといけないです」
 損害、それが出る前にだ。
「そして一気にです」
「勝ってですね」
「戦争を終えないといけないですね」
「それも早期に。若しそうしなければ」
 その場合に考えられることも話した八条だった。
「まさにです」
「我々が市民に批判されますね」
「軍部も」
「国防省も」
「そして政府も」
「それが支持率に直結します」
 民主政治においては生命線のパラメーターにもなっているそれにも直結するというのだ、民主政治では支持率がどうしても重視される。
「ですから」
「何としてもですね」
「我々はですね」
「その事態を避ける為にも」
「切り札があれば」
「敵がどうするかよりもです」 
 自分達の事情を考えてというのだ。
「戦争がはじまれば即座にですから」
「使いそして」
「そこでいきなり流れを使うしかないですね」
「そうです、しかしそれは」
 どうにもという顔でだ、八条はオリーブオイルで煮られ独特の味付けになっているマッシュルームを食べつつ二人の元帥に話した。
「時と場合によっては」
「効果がない場合もありますね」
「どうしても」
「切り札といっても」
「出すタイミングですから」
「はい、どういった強力な切り札も」
 例えそうしたものであってもというのだ。
「時と場所でどう使うかですね」
「それです、カードでも同じです」
 マクレーンは海老を食べつつ応えた、海老もまたオリーブの味が実にいい調味料になっていて絶妙のものになっている。
「ここぞという時に出してこそです」
「いいものですね」
「あるなら即座に使うのは」
「上策ではありませんね」
「下策になる場合も多いです」
 こう八条に話した。 
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